摂政九条道家が京に5丈(15m)の釈迦如来を安置する寺院を建立することを発願して 奈良の東大寺と興福寺から一字ずつ取って東福寺として創建されました。
現存すれば15mの釈迦如来像
大仏殿の完成までには実に19年もの時がかかりましたが、 1319年・1334年・1336年と相次いだ火災で本尊も堂塔のほとんども焼失してしまいました。
後に再建され、足利家、豊臣家、徳川家などの庇護のもと兵火に巻き込まれることもなく 明治を迎えましたが、1881年の火災で大仏は焼失してしまい その後再建されることはありませんでした。
当時は中央に15mの釈迦如来、両脇に7.5mの観音・弥勒菩薩を従える、東大寺の大仏に匹敵する大きさを誇る仏さまだったと伝わりますが(木造)、現在は明治の火災の時に救い出された約2mほどの手首から先の左手のみが残り仏殿に祀られています。
三門・東司(トイレ)・浴室・禅堂などは焼失を免れていて、日本三大門の一つ(ほかに南禅寺三門・山梨の久遠寺三門)とされる 三門は日本の禅寺では最古のものとして国宝に指定されています。
東司は日本の禅式では最古のもの、禅堂は現存する最古のもの 浴室も京都最古のものとして、それぞれ重要文化財に指定されています。
そのほかにも絵画や古文書など国宝・重要文化財に指定される寺宝を多数所有しています。
とにかく最古のものが多く残されています。。
名勝「八相の庭」
八相の庭は名称で正式には「国指定名勝 東福寺本坊庭園(方丈)」となります。
重森三鈴氏の作庭で方丈の東西南北に4つの庭が配されて、「八相成道」にちなんで「八相の庭」と呼ばれていました。方丈の周囲に4つのお庭があるのはこちらのみと言われます。(ちなみに八相成道とはお釈迦様がお生まれになってから入滅されるまでの間に起った、八つの重要な出来事のことを指します。)
禅の「一切の無駄をしてはならない」との教えから、作庭にあたって唯一の条件として示されたのは、本坊内にあった材料はすべて廃棄することなくもう一度再利用するということであったといわれます。
「南庭」は蓬莱神仙思想を中心とした意匠で、蓬莱(ほうらい)・瀛洲(えいしゅう)・壺梁(こりょう)・方丈の四神仙島(仙人が住む島)が、6mを超える大きな石や白川砂などの石だけの構成で表現され、奥に見える京都五山に見立てた苔の築山も美しいです。
「東庭」は星座の「北斗七星」が、円柱・白川砂・苔・背後の二重生垣のみによって表現されています。北斗七星を表す円柱は、山内にある「東司」で使用されていた礎石で、東司の解体修理をした際に、余材として出てきたものです。
「西庭」は「井田の庭」とも呼ばれ、日本古来から伝えられてきた伝統的な市松模様を、葛石(かずらいし)でサツキの刈込を四角く囲んで表現されています。
大きな市松模様で、サツキの咲くころには花の色で色づいた、きれいな市松模様になります。
「北庭」は東福寺の庭園を紹介する写真などで一番よく見かける小さな市松模様のお庭です。
この敷石は勅使門から方丈へ向けて敷き詰められていた切り石を再利用したもので、苔と敷石で市松模様が表現され、奥に行くほどまばらになり模様が消えていきます。
奥で丸く刈り込まれたサツキが花の咲くころにはきれいに色づき、秋には紅葉と苔のコントラストが美しいお庭で、お寺なのにモダンな庭だとあちらこちらで紹介されます。
それぞれ全く異なった意匠のお庭ですが、四季折々に美しい姿を見せてくれて、こんなに違う雰囲気のお庭が一度にみられるのは何ともお得な感じがします。
国宝三門と龍吟庵
国宝の三門は室町時代に室町幕府第4代将軍足利義持によって再建されたもので、禅寺では最古・禅宗で最大級の門です。
楼上には宝冠釈迦如来像・十六羅漢像をはじめとした仏像群、また迦陵頻伽などが天井や梁に極彩色で描かれ浄土が表現されています。
こちらも国宝の龍吟庵は現存最古の方丈建築として国宝に指定されていて、庭園は方坊庭園「八相の庭」を作庭した重森三玲氏によるものです。
南庭「無の庭」は、かつて方丈の南庭は儀式の場であったことから、白砂を敷きつめただけのシンプルな庭です。
西庭「竜の庭」は寺号にちなんで作庭されていて、抽象的な石組みで海の中から黒雲をまきおこして昇天する龍の姿が表現されています。
中庭「不離の庭」は開山無関普門の幼少時代の伝説にちなんで作庭されています。
両方とも通常非公開ですが、涅槃会や秋の看楓特別公開などに公開されています。ご興味のある方は東福寺公式サイトお知らせ欄で日程などご確認くださいませ。
日本三大涅槃図・京都三大涅槃図
京都三大涅槃図・日本三大涅槃図の一つに数えられる約12m×6mの巨大な涅槃図が、毎年3月14~16日法堂に掲げられます。(魔除けの猫が描かれています)
旧2月15日がお釈迦様の入滅の日として、仏教では涅槃会として様々なお寺で法要が営まれ、所蔵する涅槃図が公開されます。
東福寺の涅槃図は室町時代の明兆作でとても大きなことで知られ、近年100年ぶりに修復され話題になりました。
掲げられる法堂には天井に堂本印象の蒼龍図が描かれ、期間中には普段非公開の三門と龍吟庵が特別公開されます。
※京都三大涅槃図は東福寺・泉涌寺・本法寺(国の重文)。日本三大涅槃図は東福寺・大徳寺・本法寺(国の重文)と紹介されています。
東福寺三名橋
東福寺といえばなんといっても紅葉でしょう。 TVや雑誌でも幾度となく取り上げられ、通天橋を赤や黄色に染める渓谷には 宋原産の黄金色に色づく三葉楓など約2000本の紅葉が植えれているといわれます。
東福寺にはほかに偃月橋・臥龍橋という橋が架かり「東福寺三名橋」と呼ばれています。
東福寺駅から東福寺を目指すと臥龍橋を渡ることがほとんどだと思いますが ここからは紅葉の海に浮かぶ通天橋が眺められ、シーズンにはカメラを構える観光客で大変なにぎわいです。 (通天橋は有料ですが、こちらは無料で通行できます)
赤く染まる紅葉ばかりがクローズアップされますが、お勧めは新緑の頃です。
青もみじなどと言われますが、秋ほど観光客も多くなく 特に早い時間にはゆったりとした時間が流れています。
桜は人が集まり修行の妨げになるからと桜を抜いて(切って) 代わりに紅葉を植えたという逸話が残っているようですが・・・
今では京都随一の紅葉スポットになってしまっています。
JR京都駅からアクセスとみどころ
・JR京都駅からJR奈良線で「東福寺駅」下車して徒歩15分ほど
・市バス208系統(泉涌寺・東福寺行き)で「東福寺」下車して徒歩15分ほど
・市バス南5系統(稲荷大社・竹田駅東口行き)で「東福寺道」下車して徒歩15分ほど
※南側の六波羅門へは京阪電鉄「鳥羽街道」から徒歩7~8分ほど
拝観時間と拝観料
境内自由
4月~10月9:00~16:00
11月~12月1日8:30~16:00
12月2日~3月9:00~15:30
いずれも受付終了時間で閉門は30分後です
本坊庭園、大人500円
通天橋・開山堂 大人600円
※通天橋・開山堂は秋の看楓特別公開には特別料金になります。