◆平等院JR京都駅からアクセス
京都駅からJR奈良線「宇治」駅下車徒歩10分ほど
京都駅から平等院方面へ行くバスはありません
◆平等院拝観時間
鳳凰堂内部9:10~14:10受付、
拝観は9:30~以後20分ごとに50人ずつ
拝観希望者が多数の場合最終受付終了前に終了することがあります。
平等院ミュージアム鳳翔館9:00~17:00(16:45受付終了)
庭園8:30~17:30(17:15受付終了)
庭園+ミュージアム大人600円中・高生400円小学生300円
鳳凰堂は別途300円志納
◆平等院簡易歴史解説
もとは光源氏のモデルにもなった源融が別荘を営んだ地ですが 後に藤原道長が譲り受け別荘とし、没後に息子で関白の頼道によって 寺院に改められたものです。 開山に明尊を迎え創建された当初のご本尊は大日如来でした。
◆平等院仏像 阿弥陀如来と雲中供養菩薩
別荘が寺院に改められた1052年は日本では末法元年とされていました。
末法の世とはお釈迦さま入滅後、時を経て次第に仏の教えが衰えていき 末法になると世の中が乱れるとされるものです。
このころには天変地異や人災などよくないことが続いたため終末論的な思想に拍車がかかり、 貴族や僧侶の間に来世での極楽往生を願う浄土信仰が広がっていきました。
極楽は阿弥陀如来の浄土とされたため、貴族は盛んに阿弥陀如来を祀り平等院にも1053年には阿弥陀堂が建立され、 定朝によって製作された阿弥陀如来が安置されました。
現在は鳳凰堂と呼ばれる堂内には丈六の阿弥陀さまを囲むように さまざまな楽器を持った菩薩たちが雲に乗って音楽を奏で舞う様子が表され (雲中供養菩薩)、創建当初は色彩も豊かにまさに極楽浄土が出現したようなきらびやかな空間が広がっていたと言われます。
お堂は鳳凰が羽を広げたように見えることと、屋根に鳳凰があることから後世にそう呼ばれるようになったもので、 阿字池越しに丸窓から阿弥陀さまのお顔が見えるようになっています。
日中にはこの池にあたる陽の光が反射し、堂内はゆらゆらと揺れる陰で 菩薩が本当に雲に浮かんでいるように見えます。
かつては不動堂・五大堂など多くの堂塔が立ち並びましたが 楠木正成と足利家の戦いによる兵火や、数々の災害でことごとく廃絶していて 現在は奇跡的に鳳凰堂のみが残り国宝に指定されています。
平家滅亡へのきっかけ 源頼政と扇の庭
以仁王を奉じ平家打倒を掲げ戦った源頼政が宇治川で平家に追撃され平等院で最後を迎えています。
軍扇を広げ辞世の句を読み自刃したとされる場所は「扇の庭」として残され墓所もあり、毎年5月には法要が営まれています。
「埋もれ木の花咲くこともなかりしに身のなる果てぞ悲しかりける」 辞世の句と言われています。
頼政の挙兵はあえなく失敗に終わりましたが後の平家滅亡へのきっかけになりました。
阿字池を中心に広がる浄土式庭園は国の名勝に指定され、発掘調査によってわかった創建当初の姿に復元されいます。
平等院ミュージアム鳳翔館 栗生明設計デザイン
天下の三名鐘、姿の平等院鐘と鳳凰
ミュージアムでは雲中供養菩薩の半数に当たる26躯や初代の鳳凰、天下の三名鐘と言われた梵鐘(姿の平等院鐘・声の園城寺鐘・勢の東大寺鐘) 扉絵など数々の寺宝が展示公開されていて、館内からも美しい庭が眺められるようになっています。
そのほかに、帝釈天像や地蔵菩薩像なども展示されています。
またショップでは雲中供養菩薩があしらわれたグッズが多く販売され、トランプなどが人気です。
お堂の修復が終わり色鮮やかによみがえった鳳凰堂と共に、拝観に訪れる方の絶えない人気のスポットです。
20分ごと50人ずつの拝観になるので、時間に余裕をもってお出かけください。