奈良 奈良寺社・名所

新薬師寺 仏像十二神将・鮮やかにCGで復元

決して大きい寺では無いが、独特の表情をされている薬師如来、
その周りをグルリと囲む十二神将と、薬師如来の世界が拝める数少ないお寺です。

新薬師寺の十二神将

ご本尊をグルリと囲み、御守りする薬師如来眷属の十二神将達。
一体、補作があるものの他は全て国宝
所々傷みはあるが表情といい躍動感といい、ここに十二神将ありの様子。
伐折羅が最も人気があるが、一体一体が魅力的で丁寧に拝みたい。
木漏れ日の自然光が更に仏像を引き立てる。

寺伝の名称と文化財指定の名称でズレがあるのも面白い。
ここでは新薬師寺の名称&読みで紹介させて頂く。
伐折羅(バザラ)、頞儞羅(アニラ)、波夷羅(ハイラ)、
毘羯羅(ビギャラ)
摩虎羅(マコラ)、宮毘羅(クビラ)、
招杜羅(ショウトラ)、真達羅(シンダラ)
珊底羅(サンテラ)、
迷企羅(メイキラ)、安底羅(アンテラ)、因達羅(インダラ)

薬師如来と十二神将とステンドグラス

目鼻立ちがクッキリ、パッチリした薬師如来がご本尊で、約190センチの座像です。
お顔、体つきは丸みを帯びていてドッシリしている、一度拝んだら忘れられないです。
というかお顔を拝んで引き込まれそうな感覚がしたのは、後にも先にもこの仏様だけです。本当にふしぎな感覚でした。
光背にある小仏六体と合わせて七仏薬師とし、体内に納められていた平安初期の法華経八巻と共に国宝です。

そして十二神将です。
一番有名なのは伐折羅大将でしょうか。十二神将は塑像で色彩もほとんど失われていて、お堂で拝すれば白っぽく見えるだけなのですが、
このお像をレーザーで測定して三次元の画像にして、当時の色彩を再現したものすごーくカラフル(極彩色)な伐折羅大将がCGでよみがえっています。
もうとにかくびっくりするほどカラフルで、金色のお薬師様を中心に十二体それぞれに彩色されていたのかと思うと・・・それはそれは豪華なまさに瑠璃光浄土だったことでしょう。

十二神将はそれぞれに十二支と結びつけられていて、こちらでは干支ごとに表示もされいて、一体ごとにお参りできるようになっています。
お好きなお像にお参りするもよし、ご自分の干支にお参りするもよし、間近でゆっくり拝むことができます。

お堂の一角にステンドグラスが設置されています。お堂は薄暗い感じなのですが、この一角は光が差せば堂内に美しい瑠璃光が差し込み、「心豊かな世紀へ」との願いを込められたご住職の想いが伝わるでしょうか・・ お願いすれば扉を開けていただけます。

かつては壮大な寺院

新薬師寺は華厳宗のお寺です。
8世紀中頃、光明皇后が聖武天皇の病気平癒を祈願して創建、七仏薬師を祀ったと伝わります。
現在はこじんまりとした印象を受けますが、 創建当時は七堂伽藍を備えた大寺院で、
桁行九間の金堂に・善名称吉祥王如来・宝月智厳光音自在王如来・金色宝光妙行成就王如来・無憂最勝吉祥王如来・法海雷音如来・法海勝慧遊戯神通如来・薬師琉璃光如来の七体の如来像、そしてそれぞれに菩薩を二体ずつ脇侍として従え、十二神将がそれを守護する形で祀られる壮麗なものだったと残された史料からうかがい知ることができます。

平安時代の災害で倒壊してしまい現存していませんが、近接地で桁行が東西約60m規模もあるお堂の基壇が発見されています。
現在の本堂は、倒壊を免れた建物を本堂としたもので、奈良時代創建当初の建物として国宝に指定され、
鎌倉時代に再建された、地蔵堂鐘楼南門東門国の重要文化財に指定されています。
鐘楼に釣られる梵鐘は奈良時代のもので、もとは元興寺にあったものと言われ、梵鐘も国の重要文化財です。

地蔵菩薩と香薬師

本堂の奥には庭園があって、その奥に香薬師堂があります。
もともとこちらには白鳳時代の香薬師立像(旧国宝)が祀られていましたが3度の盗難にあい、現在残るのは右手の一部のみです。
盗難にあう前に型どりなどがされていたために、現在はレプリカがつくられています。

そして地蔵菩薩が2体、ともに国の重要文化財です。
一体は近隣の地蔵堂から移されたもので、錫杖ではなく弓を持つ珍しいお姿で、平家残党の景清ゆかりの像との伝承によって景清地蔵と呼ばれ安産・眼病にご利益があると信仰されています。
こちらのお像を修復する際に体内から見つかったのがおたま地蔵と呼ばれるもう一体です。

なんと裸形でしかも陰茎が蓮の蕾につくられています。
興福寺の僧・尊遍が師であった実尊の追善のために造立したもので、当初は師の生前着用した衣を着せ替え、生前のようにお世話をしていたのではといわれ、木で衣が造られた時期は定かではないのですが、尊遍が自分がなくなった後のことを考えて造り変えたのかもしれないとの推測もあるようです。
お像の修復後は、共用部分を補正して2つの地蔵尊として祀られることになりました。安産や健康に霊験あらたかと信仰を集めています。
通常非公開ですが、特別公開されることもあります。

おたいまつ(修二会)

3月の奈良を炎で彩る2月堂のお水取り(修二会)ですが、実は新薬師寺でも毎年4月8日に修二会・おたいまつが行われます。
17:00~初夜法要が行われ、19:00~おたいまつです。
普段は閉じられている本堂の扉が開かれ、およそ7メートルの大松明10本と籠松明1本が本堂をぐるりと回り、お薬師様の前では止まって松明を回して火の粉を散らします。
2月堂のようにスピードのある華やかなものではありませんが、雅な音楽の響くなか・境内は厳かな雰囲気に包まれます。

おたいまつが終わると、桃の花や南天などで飾られ無数の燈明が灯されたお薬師様の前で法要が行われ、普段は見ることのできないお堂の外からお薬師様を拝することができます。開花時期が合えば炎に照らされる夜桜も楽しめるかも。
火の消されたおたいまつの燃えさしを持ち帰ると無病息災の御利益があるそうです。

境内にある五重の石塔は東大寺でお水取り(修二会)を始めた、実忠和尚の歯塔だと伝わります。
実忠和尚は東大寺初代別当・良弁の弟子と伝わり、頭塔や西大寺など多くの寺院造営に活躍したと東大寺の史料に記されています。

新薬師寺へのアクセス

JR奈良駅・近鉄奈良駅、どちらの「奈良駅」からでも 市内循環バス(外回り)で「破石町・わりいしちょう」下車して徒歩10分ほど

駅からタクシーで10分ほど、東大寺からは徒歩20分ほどです。
分かりやすい場所とは言えませんが、最近は案内標識も増えているので、確認しながら歩けば迷わず行けると思います。

拝観時間

9時~17時 大人600円

新薬師寺のおみやげ

図録、お守り、お線香、ポストカードなど堂内で授与されています。
伐折羅の当時の彩色をCGで復元した写真もあり、十二神将達の原色が分かります。

新薬師寺周辺地図

-奈良, 奈良寺社・名所