1291年亀山法皇の勅願により無関普門禅師の開山で創建された、日本初の勅願禅寺と伝わります。 臨済宗南禅寺派総本山で五山の上と言われる別格寺院で、日本の禅寺の中で最も格式が高いとされます。応仁の乱で焼失した伽藍は江戸時代に以心崇伝(いしんすうでん)によって復興されています。
南禅寺の見どころとアクセス
地下鉄「蹴上駅」からレンガ造りの歩行者専用トンネル「ねじりまんぽ」をくぐり、道なりに北へ進んでいけば10分ほどで「絶景かな」で知られる三門前へ至ります。いつ訪れても観光客であふれていますが、桜や紅葉の名所でもあり見ごろの季節にはカメラを構える方々でいつも以上の賑わいを見せます。
方丈庭園は小堀遠州作庭と伝わり、周辺にある塔頭寺院でも小堀遠州や夢窓疎石作庭と伝わる素晴らしい庭が残されています。ドラマ好きな方ならおなじみの水路閣は疏水に沿って歩いてゆけば蹴上インクラインまで至ります。
また毎月座禅会が無料で開かれていますので、まだ参拝客のいない早朝のひと時を心静かに過ごしてみるのはいかがでしょう。
拝観時間・拝観料など
12月1日~2月28日 | 8:40~16:30(16:10受付終了) | 境内自由 |
3月1日~11月30日 | 8:40~17:00(16:40受付終了) | 境内自由 |
方丈庭園 | 時間は上記の通り | 一般500円・高校生400円・小中学生300円 |
方丈庭園にて抹茶 | 9:30~15:00(12:00~13:00は休止) | |
三門 | 時間は上記の通り | 一般500円・高校生400円・小中学生300円 |
南禅院 | 時間は上記の通り | 一般300円・高校生250円・小中学生150円 |
金地院 | 8:30~16:30(12月1日~2月28日) 8:30~17:00(3月1日~11月30日) |
大人400円・高校生300円・中学生以下200円 (茶室八窓席は事前申し込みで別途700円) (075-771-3511) |
天授庵 | 9:00~17:00(冬季は16:30まで) | 大人400円・高校生300円・小中学生200円 11月11日~12日は拝観休止 (075-771-0744) |
天授庵ライトアップ | 例年11月15日~11月30日頃の紅葉時期 17:30~20:45(受付終了) |
大人500円・高校生400円・小中学生300円 |
座禅・写経
座禅会(龍淵閣にて) | 毎月第二と第四日曜日 (1月第一・8月・12月第四は休会) |
6:00~7:00 (11月~3月は6:30~) 参加無料 (075-771-0365) |
写経会(南禅院にて) | 毎月15日 (8月は休会) |
13:00~15:00 1000円(抹茶付き) 般若心経唱和・法話の後に写経 (075-771-0365) |
一空会(座禅会・ 塔頭寺院・光雲寺にて) |
毎月第二と第四日曜日 (変更の場合あり) |
8:30~14:30 一般1000円・学生500円 昼食・抹茶付き 座禅の他、作務などもお行いますので一日がかりになります。詳細は光雲寺公式サイトからご確認ください (075-771-7949) |
JR京都駅からのアクセスと周辺の観光名所
1・市バス5系統(銀閣寺・岩倉行き)で「南禅寺・永観堂道」下車して徒歩10分ほど
2・地下鉄烏丸線(国際会館行き)で「烏丸御池駅」へ、そこから地下鉄東西線(六地蔵行き)へ乗り換え「蹴上(けあげ)」下車して徒歩10分ほど
周辺の地図など
黒衣の宰相 以心崇伝
元は五山の一つに列せられていましたが、足利義満が自ら建立した相国寺を五山の一つにするために 南禅寺を五山の上のとしたことから現在の寺格になりました。 応仁の乱で被災した伽藍を復興させたのは、江戸時代黒衣の宰相と呼ばれた以心崇伝(金地院崇伝・こんちいんすうでん)です。方広寺の鐘事件で有名なあの崇伝です(鐘の銘文に「国家安康」「君臣豊楽」と彫られていたことから、家康を分断し豊臣を君主とするものだとして、これが大阪の陣の引き金になったといわれています)。三門南西にある金地院は北山より移され崇伝の京都での活動拠点となり、伏見城の一部を移築したと伝わる方丈は国の重文に、小堀遠州作庭と唯一資料の残る「鶴亀の庭]は国の特別名勝に指定されています。予約のみで公開される茶室・八窓席には長谷川等伯筆の襖絵があることでも知られます。家康の遺髪や稔侍仏を祀る東照宮(国の重文)もあり天井には狩野探幽の筆による龍が描かれています。
絶景かな絶景かな
歌舞伎で有名な石川五右衛門の「絶景かな絶景かな」の 三門を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際は30年も年代の開きがありますので完全な創作です。この三門は藤堂高虎の寄進により建立され日本三大門の一つとされています。 楼上内部には宝冠釈迦如来を中心に十六羅漢が安置され 天井に描かれた鳳凰や天女は、狩野探幽や土佐徳悦の筆によるのもとされ、急な階段を登れば市内を一望にできるまさに絶景が広がります。
国宝に指定される方丈には内部に狩野探幽による群虎図が40面あって「虎の間」と呼ばれています。また前面にある「虎の子渡しの庭」は小堀遠州作庭と言われます。
南禅院は南禅寺発祥の地で亀山法皇の離宮跡です。琵琶湖疏水の水が引かれた滝が流れる池泉回遊式の庭園は、法皇自らの作庭と伝わり京都の三名勝史跡庭園(残りは天龍寺と西芳寺(苔寺)です)と呼ばれています。内陣中央には法皇の木造が祀られ、遺言により分骨を埋葬された御廟も残ります。
天授庵は開山の無関普門禅師を祀る開山塔として建立されました。苔と菱形の石・白砂でモダンな幾何学模様が美しい枯山水の「淵黙庭(えんもくてい)」、池泉回遊式の「澄心庭」と2つの庭を持ち、紅葉の季節にはライトアップが行われています。
TVでよく見かける水路閣。琵琶湖から京都に向けてひかれた疏水の分線に当たる水路で、境内を通るため景観を損ねないように設計された赤煉瓦のアーチは時を重ねすっかり周辺の景色に溶け込んでいます。 階段を登れば今でも水の流れるさまを見ることができ、水路をたどれば桜の名所として人気の蹴上インクライン(疏水舟を運ぶための線路跡です)に至ります。国宝・重要文化財・名勝・史跡を数多く所有する まさに別格の寺院です。
そして南禅寺といえば湯豆腐!気軽に楽しめるお店から・坪庭を持つ高級店まであって懐具合によってさまざまに楽しめます。