この時期の定番になった「京の冬の旅」。文化財の特別公開のほか定期観光バスの特別コースやものづくり体験など、楽しいイベントが盛りだくさんです。こちらではその中で文化財の特別公開情報をご紹介します。
第54回京の冬の旅が1月10日~3月18日まで開催されます。
令和初になる今回(2020年)は「京の御大礼 雅の御所文化」と「明智光秀と戦国の英傑たち」がテーマです。尼門跡寺院や御寺(泉涌寺)など天皇家にゆかりの深いお寺や、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」で明智光秀が主人公になることからゆかりのお寺での特別公開が行われます。
公開されるのは
大徳寺 法堂・方丈・唐門/ 総見院(大徳寺塔頭)/宝鏡寺/霊鑑寺/知恩院大方丈・小方丈・方丈庭園/高台寺/大聖寺/三時知恩寺/光照院/東寺五重塔/妙心寺仏殿・浴室「明智風呂」/玉鳳院(妙心寺塔頭)/泉涌寺(霊明殿・御座所)/新善光寺(泉涌寺塔頭)/雲龍院(泉涌寺派・別格本山)の15ケ所です
お寺は基本・靴を脱いで板の間や畳の上を歩いての拝観になりますので、厚手の靴下等で寒さ対策をしていくと良いでしょう。
スタンプラリー
15ヵ所の中から3ヵ所を拝観してスタンプを集めると、指定の場所で「ちょっと一服」(お茶とお菓子など)の特典が受けられます。
スタンプ用紙は各拝観受付場所かJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所(京なび)」でいただけます。もらった用紙に拝観料を支払うときにスタンプを押してもらって、3か所そろったら以下のうちのお好きな場所で特典が受けられます。
お接待場所
本家八ツ橋・八坂店/本家八ツ橋・清水南店/清水一芳園/俵屋吉富「京菓子資料館」/京洋菓子司 ジュヴァンセル祇園店/洛南会館「喫茶やまぶき」/京湯元 ハトヤ瑞鳳閣「レストラン栄寿庵」/花園会館「花ごころ」/和順会館「カフェ かりん」/青窯会会館/亀屋良長/湖月茶屋の12か所
そのほか、JR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所(京なび)」で記念品との引換えもできます。
別ページ京都で明智光秀ゆかりの地を巡るでは京都府内にある明智光秀ゆかりの地をご紹介しています。
共通の基本情報
こちらは共通の基本情報です。寺院によって期間・時間・料金が異なる場合がありますので個別の詳細は下の表をご参照ください。
期間 | 時間 | 料金 |
2020年1月10日 ~3月18日 |
10:00~16:30 (16:00受付終了) |
1ヶ所 大人(中学生以上)600円/小学生300円 |
公開施設ごとの詳細
拝観・見学休止日・時間・料金などは異なる情報のみ掲載しています。空欄のところは上記の基本情報通りです。
寺院名 | 拝観・見学休止日・時間・料金など | 公開内容 |
大徳寺 法堂 方丈 唐門 |
中学生以上800円/小学生400円 1月16日~18日・1月21日・2月21日・3月15日は終日拝観休止 |
法堂は京の冬の旅初公開 法堂(重文)には狩野探幽による「雲竜図」が天井に描かれ「鳴き龍」と呼ばれています。 方丈庭園は特別名勝・史跡に指定される枯山水庭園で、庭園から見える唐門(国宝)は豊臣秀吉の造った聚楽第の遺構と伝わり、彫刻を見ていると一日が終わってしまうといわれ別名「日暮門」と呼ばれます。 |
総見院(大徳寺塔頭) |
1月12日・1月15日は13:00~公開 1月16日は12:00(受付終了)までの公開 1月17日~19日は終日拝観休止 2月2日と3月8日は12:00~の公開 |
京の冬の旅9年ぶり 境内にある侘助椿は樹齢400年で秀吉が千利休から譲り受けたと伝わり、日本最古の胡蝶侘助とされています。 |
宝鏡寺(百々御所) |
1月10日~2月29日 3月1日からは春の人形展が開催されます |
歴代住職を皇室の女性が務めていた門跡尼寺皇室ゆかりの寺宝を多く所蔵し「人形の寺」として知られます。 本堂(市指定文化財)には狩野探幽筆と伝わる「秋草図」や日本画家・河股幸和(かわまたゆきかず)筆の「葡萄と鹿」などの襖絵があります。 書院には円山応挙筆の小犬の杉戸絵や円山派の絵師による障壁画があります。 徳川家に降嫁した皇女和宮をはじめ歴代皇女ゆかりの寺宝や日野富子木像などもあります。 |
霊鑑寺 |
京の冬の旅36年ぶり奥書院公開(霊鑑寺は7年ぶり) 谷の御所・鹿ヶ谷比丘尼御所とも呼ばれる南禅寺派の門跡尼寺院で、春と秋にも公開されています。 |
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知恩院大方丈・小方丈・方丈庭園 |
1月20日~3月18日 10:00~16:20(15:40受付終了) 1月29日~31日・2月27日・2月28日は終日拝観休止
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大方丈・小方丈ともに国の重文に指定される江戸期の建築で、通常内部は非公開です。 大方丈には狩野派の襖絵(金碧障壁画)などがあり、 |
高台寺 |
1月10日~3月1日 9:00~17:30(17:00受付終了) |
京の冬の旅期間中、通常は入れない霊屋の中まで入れます。 高台寺は豊臣秀吉の正妻・北政所(ねね)が秀吉の菩提を弔うために創建したお寺です。ねねの眠る霊屋(おたまや)は見事な高台寺蒔絵で装飾されています。 方丈ではポルトガルより秀吉に贈られたペルシャ絨毯を仕立て替えた「鳥獣文様陣羽織・ちょうじゅうもんようじんばおり」やねねの「唐織小袖・からおりこそで」の複製が展示されます。 また掌美術館では小袖を法具に仕立て替えた「打敷・うちしき」や秀吉愛用の「唐杖」などが公開されます。 |
大聖寺(御寺御所・おてらごしょ) |
3月1日~3月18日
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京の冬の旅7年ぶり 庭園は明正天皇の河原御殿の資材を移して作庭されたと伝わる京都市指定の名勝で「かんざし灯籠」などの配された枯山水の庭園です。 書院(宮御殿)は御所風に建てられ、望月玉川(もちづきぎょくせん)筆の「秋草に鹿図」「波に鶴図」などの襖絵があります。 |
三時知恩寺(入江御所) |
京の冬の旅7年ぶり 秘仏善導大師像/狩野永納筆「四季花鳥図屏風」(京都市指定文化財)/丸山応挙筆・襖絵「えり漁図」/石田幽汀筆「松島橋立図屏」/源氏絵扇面貼交襖など/また皇室ゆかりの御所人形などを所蔵しています。 書院は桃園天皇の女御の御殿が移されたもので、目の前に広がる枯山水の庭園は「蓬莱の庭」と呼ばれています。 |
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光照院(常盤御所) |
京の冬の旅18年ぶり 本尊釈迦如来立像(鎌倉時代・清涼寺式)・書院にて宮中ゆかりの寺宝を公開 書院前庭の枯山水庭園には樹齢500年と伝わる見事な五葉松も植えられています。 |
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妙心寺仏殿・浴室「明智風呂」 |
仏殿は京の冬の旅初公開 妙心寺の塔頭・大嶺院の僧 密宗は明智光秀の叔父にあたり、光秀の菩提を弔うために浴室を建てたと伝わります。明智風呂(重文)と呼ばれ再建されたものですが、現在は通常非公開。 |
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妙心寺玉鳳院 |
1月11日・2月11日・3月11日は14:00(受付終了)までの公開 2月7日は12:00~の公開 |
花園法皇が妙心寺に隣接して創建した建物(重文)で、法皇と開山がここで問答を行ったと伝わり、花園法皇の木像が祀られています。また玉鳳院の北東には、豊臣秀吉の子・棄丸のお霊屋があります 庭園は史跡・名勝に指定されています。 |
泉涌寺 霊明殿・御座所 |
9:00~17:00(16:00受付終了) 1月29日と30日は終日拝観休止 |
京の冬の旅10年ぶり 御座所は両陛下はじめ皇族方の御陵(みささぎ)参拝の際の休憩所として現在も使われています。内部の荘厳具は皇族の方々の寄進によるもので、池泉鑑賞式の庭園には泉涌寺式と呼ばれる雪見灯籠が据えられています。 |
新善光寺(泉涌寺塔頭) |
1月12日は12:00(受付終了)までの公開 1月13日は終日拝観休止 |
京の冬の旅初公開 大方丈には、狩野周信(ちかのぶ)筆の「唐人物図」があり・白居易(はくきょい)の「琵琶行・びわこう」、玄宗皇帝と楊貴妃を描いた「鞨鼓楼図・かっころうず」などが色鮮やかに残ります。 |
雲龍院(泉涌寺派・別格本山) |
10:00~17:00(16:30受付終了) 1月12日・1月13日・2月18日は終日拝観休止 |
京の冬の旅8年ぶり 本堂「龍華殿・りゅうげでん(重文)」では、双龍と風神雷神を描いた水墨画家・堂野夢酔(どうのむすい)筆の襖絵「双龍風雷図・そうりゅうふうらいず」が特別公開されます。 また「星供・ほしく(星まつり)」の九曜星本尊九体や「後小松天皇肖像画」なども特別展示されます。 |
東寺 五重塔 |
8:30~17:00(16:30受付終了) 大人800円/高校生700円/小中学生500円(講堂・金堂拝観料含む) |
高さ55mの五重塔は日本で一番高い木造建築です。 東寺は密教仏の宝庫で、講堂に安置される立体曼荼羅(イケメン帝釈天が人気です)は、弘法大師空海の手によるものです。 |
全会場の地図と各会場へJR京都駅からのアクセス
各会場へ京都駅から公共交通機関でアクセスする方法はこちらのページでご紹介しています。
合わせて公開寺院周辺の観光名所などもご案内していますのでご参考までにどうぞ。
第54回 京の冬の旅(2020年)の開催される寺院の地図
※短時間で多く回りたい方には、京の冬の旅公式サイトで、食事つきのバスツアーや伝統文化を体験できるワークショップなども紹介されています。
またクラブツーリズム公式サイトではおひとりさま限定ツアーなどもありますので興味のある方はどうぞ。
※過去に行われた2016年京の冬の旅/2018年京の夏の旅/2019年京の夏の旅/2019年京の冬の旅はこちらのページをご覧くださいませ。