京都には一年を通して様々なお祭りや伝統行事があります。
古より続くもの、市民に守られ続けてきたもの、奇祭と呼ばれるものなどなど。四季の移ろいとともにさまざまに賑わいを見せる行事をご案内します。
1月・2月
こちらでは1月~2月に行われるお祭りや行事をご紹介します。
除夜の鐘の音とともに年が明け、初詣にはじまりその年初めて行われる行事の数々。三が日が終わり七草がゆをいただくとすぐに十日ゑびす。福笹に縁起物をいただき一年の厄除けや健康祈願などするうちに、あっという間に小正月の小豆粥。
各所でにぎわいを見せる節分行事が終われば、暦の上では春になります。
主に関西で行われる初午(はつうま)のお祭りや、お釈迦様が入滅(お亡くなりになった日)されたとされる旧暦の2月15日(寺院によって2月か3月に行われます)に行われる涅槃会では各所で涅槃図が掲げられ、醍醐寺の五大力さんで大きな鏡餅を持ち上げる奉納行事が行われる頃には梅の花が咲き始め、本格的な春はもうすぐです。
1月10日からはテーマに沿って普段非公開の文化財を公開する「京の冬の旅(1月~3月)」も始まり、市内の有名な観光スポットでも雪景色が楽しめることがある、冬ならではの京都を満喫できるでしょう。寒さの応える季節ですので温かくしてお出かけくださいませ。
1月
1月1日 | 初詣 | 場所・時間など |
1月1日~3日 | 皇服茶(おうぶくちゃ) |
六波羅蜜寺 三が日に一年間の無病息災を願って小梅と結び昆布を入れた大福茶を飲む習わしがあり、六波羅蜜寺ではお寺に伝わる空也上人の故事にちなんで毎年・皇服茶として参拝者にふるまわれます(300円・お札付き)。 また先着3000名に稲穂(福徳自在初稲穂)が無料で授与され、そこに好きな縁起物をつけて(こちらは有料)玄関に飾って一年間の厄除けにすることができます。 |
1月1日~31日 | 都七福神まいり |
七福神巡りは京都発祥といわれています。六波羅蜜寺(弁財天)・京都ゑびす神社(ゑびす様)・革堂/行願寺(寿老人)・松ヶ崎大黒天(大黒天)・東寺(毘沙門天)・赤山禅院(福禄寿)・万福寺(布袋尊)です。(都七福神まいり公式サイト) 各所は離れていますので1月の期間中は定期観光バスも運行されています(詳細は京阪バス公式サイトをご覧ください)。 |
1月2日~4日 | 筆始祭と天満書(てんまがき) |
北野天満宮 御祭神の菅原道真公は空海・小野道風と並び「三聖」と称えられる書家でもあり書の神様としても崇敬されています。筆始祭では道真公をしのび書の上達を祈願し、絵馬所にて天満書(書初め)を行い奉納します(例年2000点ほどが奉納されます)。 |
1月3日 | 初能奉納とかるた始め式 |
八坂神社 初能奉納では金剛流と観世流の家元が隔年で「翁」と「仕舞」を奉納します。 かるた始め式は、御祭神の素戔嗚尊が日本で最初に和歌を詠んだとされることにちなんだ行事で、平安の衣装に身を包んだ男女が百人一首の手合わせを披露し、また競技かるたも行われます。 |
1月4日 | 蹴鞠始め(けまりはじめ) |
下鴨神社 宮中に伝わる伝統行事「蹴鞠・けまり」が奉納されます。 |
1月5日 | 舞楽奉納 |
上賀茂神社 橋殿にて篝火の焚かれる中 舞楽が奉納されます。 |
1月7日 | 白馬奏覧神事 |
上賀茂神社 年の始めに白馬(青馬)を見ると一年の邪気が祓われるという故事による宮中儀式「白馬節会・あおうまのせちえ」にならって、神前に七草粥を供え、神馬「神山号」を神覧に供する祭典です。 |
1月7日 | 七草粥の行事 | 御香宮神社・上賀茂神社・西院春日大社・福王子神社・貴船神社など各所 (2月11日・城南宮) |
1月8日~12日 | 十日ゑびす大祭(初ゑびす) |
京都ゑびす神社 日本三大ゑびすの一つとされる京都ゑびす神社で行われる、「商売繁盛で笹もってこい」の掛け声とともに、授与される吉兆笹につける様々な縁起物を求める参拝客で大変なにぎわいを見せるお祭りです(三大ゑびすの残る2つは兵庫県の西宮神社・大阪府の今宮戎神社で島根県の美保神社が入ることもあります)。 神社境内や周辺には様々な露店も並び、10日には東映の女優さんによる福笹の授与、11日には祇園・宮川町の舞妓さんによる福笹や福餅の授与などが行われます。 |
1月9日~10日 | 祇園のえべっさん |
八坂神社~祇園石段下~四条通り えびす祭の詳細は別ページでご案内していますので、そちらをご覧ください。 また神社近くの祇園商店街振興組合では、七福神を乗せた舟と一緒に巫女さん姿で巡行しする福娘の応募も受け付けています(毎年9月下旬頃から募集・抽選にて決定)。詳細は振興組合公式サイトをご覧くださいませ。 |
1月9日~11日 | 出世えびす祭 |
粟田神社(境内摂社・出世恵美須神社にて) 期間中に御開帳されるゑびす像は伝教大師最澄作と伝わり、日本最古の寄せ木造りのゑびす像と言われています。また幼少期の源義経が源氏復興の祈願し、見事復興なったことから「出世恵美須」または「門出恵美須」と呼ばれています。 境内では福笹や熊手、出世えびす像の授与などがおこなわれます。 |
2020年は1月10日~3月18日 | 京の冬の旅 |
京都市観光協会主催で毎年冬と夏にテーマに沿って各所で非公開文化財などが特別公開されます。 開催寺社やアクセス方法は別ページでご紹介していますので、そちらをご覧くださいませ。 |
1月12日 | 奉射祭(御弓始神事) |
伏見稲荷大社 奉射祭とは年始に行われる御弓始神事(おゆみはじめしんじ)で、邪気や陰気を祓い陽気を迎える神事です。 |
1月成人の日の頃 2020年は1月12日 |
楊枝(やなぎ)のお加持と弓引き始め(通し矢) |
三十三間堂 楊枝のお加持はインド伝来の修法と言われ、7日間観音様に御祈祷された浄水が 聖樹とされる「楊枝・やなぎ」で、参拝者の頭に注がれます。特に頭痛に平癒にご利益があるとされています。 また同日に行われる「弓引き始め」は江戸時代の通し矢にちなんだ行事で、全国から約2000人の新成人が集まり、はかま姿で約60m先の的を射て腕を競います。 もともと1月15日(旧成人の日)に行われていましたが、近年は成人の日付近の日曜日に行われています。 |
1月成人の日 2020年は1月13日 |
泉山七福神巡り |
泉涌寺の塔頭寺院で七福神巡り 無料でいただける福笹に、山内にある塔頭寺院にそれぞれ祀られる七福神(番外編あり)を巡って縁起物(有料)をつけていきます。(同時に色紙に御朱印をいただく御朱印巡りもできます) 小豆粥・昆布茶・甘酒などが無料でお接待される寺院もあります(数量限定) |
1月14日 | 裸踊り |
法界寺(日野薬師) 元旦より14日まで行われる修正会の結願の日の夜に、精進潔斎した少年・青年がふんどし姿で阿弥陀堂の縁側で、家内安全や健康を祈願して裸踊りを奉納します。 |
1月15日 | 小正月の小豆粥や左義長 |
妙心寺東林院・上賀茂神社・下鴨神社・冨田屋など各所 京都では小正月に小豆粥を食べる風習があります。赤い食べ物は邪気を払うとされ、無病息災を祈願していただきます。 |
1月16日 | 武射神事 |
上賀茂神社 宮中で行われていた厄除けの神事に由来します。 |
1月20日 | 湯立神楽 |
城南宮 たすき掛けの巫女さんが大釜から笹で湯を勢いよく散らして、無病息災・願望成就を祈願します。 |
2月
2月3日前後 | 節分祭・追儺式・鬼やらいなど |
各所にて。 節分についてはこちらのページでご紹介しています。 |
2月8日 | 針供養 |
虚空蔵法輪寺 皇室で使われる針を供養するために勅命によって始まったといわれ、普段かたいもの(布など)に刺して使われる針を、やわらかいこんにゃくにさして休んでいただくという行事です。 |
2月8日 | 世継地蔵尊大祭 |
上徳寺 一億日分の功徳が授かるとされる「一億劫日功徳日」にあたるこの日に、子授けや福を授けてくれるという世継地蔵尊の功徳を讚える法要が行われます。酒粕汁や多幸焼(たこやき)の無料お接待もあります。 |
初午の頃4日間 2020年は2月8日~11日 |
初午大根炊き |
三千院 期間中は毎日 金色不動明王に五穀豊穣・無病息災・開運招福の祈願をして焚き上げられた、地元大原で有機栽培された大根が参拝者に振舞われます。 |
2月初午の日 2020年は2月9日 |
初午(はつうま)大祭 |
伏見稲荷大社 稲荷山に稲荷大神が鎮座された日とされる2月の初午の日に行われるお祭りです。 初午に欠かせないのがいなりずし。周辺にはいなりずしが食べられるお店も複数あり、京阪伏見稲荷駅にはいなりずし専門のテイクアウトのお店もあります。 また名物「スズメ(うずら)のやきとり」にビックリする方もいらっしゃるかもしれませんが、スズメは稲穂を食べてしまうことから焼いて食べてしまえということ言うことのようで、見たことのない方には衝撃の姿焼きかもです。国産のスズメは数も少ないそうでいずれは食べられなくなってしまうかもしれませんね。 |
2月15日 | 涅槃会(ねはんえ) |
お釈迦さまが入滅(お亡くなりになること)されたとされる旧暦の2月15日に各所で涅槃会が行われます。 |
2月中旬~3月下旬 2020年は2月18日~3月22日 |
しだれ梅と椿祭り |
城南宮 神苑9:00~16:30(16:00受付終了) 梅が枝神楽(観覧自由) 参道にて植木市(慶樹園の出店) 1月1日~「しだれ梅」をあしらい友禅和紙で装丁された季節の御朱印帳の取り扱いが始まる予定です。 |
2月23日 | 五大力尊仁王会 |
醍醐寺 「五大力さん」と呼ばれ、お不動様をはじめとする五大明王の力を授かり、その化身である五大力菩薩によって国の平や国民の幸福を祈願する行事です。 この日のみに授与される「御影・みえい」(2000円)は、延べ1000人の僧侶によって七日間にわたって御祈祷されたもので、盗難除けのほか身に降りかかるあらゆる災難から守ってくださるとされ、当日はこのお札を求める方で大変にぎわいます。(郵送もしていただけます。申し込みは公式サイトからどうぞ) 「餅上げ力奉納」では男性が150㎏、女性が90㎏の大鏡餅を持ち上げその時間を競い、またその力を奉納することによって無病息災・身体堅固を祈願します。 |
2月25日 | 梅花祭・梅花祭野点大茶湯 |
北野天満宮 御祭神の菅原道真公の命日にあたるこの日に、紅白の梅の枝を刺した「紙立・こうだて」などの特殊神饌をお供えし、ご遺徳をしのびます。紙立に使われた玄米は「厄除玄米」として授与されます。 また豊臣秀吉が北野大茶湯を行った故事と道真公の薨去1050年にちなんで始まった梅花祭野点大茶湯も行われ、上七軒の芸舞妓さんによる野点の席が設けられます。 |