こちらでは天皇陛下御即位奉祝「春期京都非公開文化財特別公開」2019春の会場のうち、山科区にある毘沙門堂門跡・安祥寺、また隨心院・勧修寺へのJR京都駅からのアクセス方法を紹介していきます。
山科区とは
山科区はJR京都駅からは東へ一駅にあり、観光に人気の東山のさらに東に広がります。かつては江戸と京都を結ぶ東海道をはじめ、奈良へと続く奈良街道・市内へと続く渋谷街道など多くの街道が通り交通の要衝の地として栄えました。奈良の興福寺の前身となる山階寺が中臣鎌足(藤原鎌足)によって創建されたのもこの地で、天智天皇陵もあります。大石内蔵助がこの地に住んで祇園に通い、遊興にふけったふりで敵の目を欺き仇討ちを成功させたことでも知られ、隠棲地には大石神社が創建されています。
平安時代には小野一族の栄えた地でもあることから、隨心院をはじめ小野小町ゆかりの地が多く残り、奈良街道を南へ行けば醍醐寺があります。
山科急行バス(京阪バス)
京都駅八条口から醍醐寺へ直通のバス(山科急行バス)が運行されるようになり、この地域へ格段に行きやすくなりました。また拠点になる「山科駅」では地下鉄東西線も運行されていますので、東山観光・市内の繁華街・二条城、また宇治方面へも比較的容易に移動できると思います。
※なお山科急行バスの八条口のバス乗り場は京都駅八条東口から通りを挟んだ向かい(南側)にある、ホテル京阪の東側にありますので下記の地図のバス停位置をご確認ください。
地下鉄・バス一日(二日)乗車券を使うと周辺の観光には便利です。山科急行バス八条口バス乗り場のとなり(西側)に京阪バス京都駅八条口案内所がありますのでそちらで購入できます。また地下鉄の駅や市バス営業所、京都駅では烏丸口(京都タワー側)にある京都駅前バスチケットセンタ―や地下鉄中央改札口近くにあるコトチカ京都案内所で購入できますので前もって準備することもできます。(※バス一日券とは異なりますのでご注意ください)
毘沙門堂門跡
1・JR京都駅からJR東海道本線(米原方面ゆき)で「山科駅」下車して徒歩20分ほど
※山科駅には南口にタクシー乗り場があり、車で8分ほどです。
※安祥寺へは1㎞ほどです
安祥寺
1・JR京都駅からJR東海道本線(米原方面ゆき)で「山科駅」下車して徒歩10分ほど
※毘沙門堂門跡ヘは1㎞ほどです
隨心院(ずいしんいん)
1・八条口バス停(ホテル京阪京都前)から山科急行(醍醐寺行き)で「醍醐北団地」下車して徒歩5分ほど
2・JR京都駅からJR東海道本線(米原方面ゆき)で「山科駅」へ、そこから地下鉄東西線(六地蔵行き)に乗り換え「小野駅」下車して総門まで徒歩5分ほど
勧修寺(かじゅうじ)
1・八条口バス停(ホテル京阪京都前)から山科急行(醍醐寺行き)で「勧修寺北出町」下車して徒歩8分ほど
2・JR京都駅からJR東海道本線(米原方面ゆき)で「山科駅」へ、そこから地下鉄東西線(六地蔵行き)に乗り換え「小野駅」下車して徒歩8分ほど
周辺の観光名所
山科駅から北側に毘沙門堂門跡・安祥寺、南へ下って勧修寺・隨心院があります。
安祥寺の前には山科疏水(琵琶湖疏水)が流れ、約4㎞に渡って遊歩道が整備されています。桜の季節には約660本の桜が咲き競いお花見をする観光客でにぎわいます。少し離れますが山科乗船場からびわ湖疏水船も運行されています。
興福寺の前身といわれる山階寺跡地(推定地)が山科駅から西へ徒歩10分ほどにあり、石標と解説パネルが設置されています。
山科駅から地下鉄で小野駅へ移動すると隨心院・勧修寺へ徒歩で行けます。
隨心院は小野小町邸跡と伝わり、化粧井戸や文塚などゆかりの跡が残ります。梅の名所として知られますが紅葉の名所でもありライトアップなども行われます。また周辺には小町榧(カヤ)と呼ばれる小町ゆかりの榧の大木が残ります。
隨心院から西へ徒歩15分ほどに勧修寺があります。醍醐天皇が生母のために創建した寺院で、桜・睡蓮・カキツバタ・花菖蒲・紅葉など、氷室池を中心とした庭園では一年を通じて様々な花々を楽しむことができます。また水戸光圀寄進と伝わる灯籠があり、「勧修寺型灯籠」と呼ばれ、周りを囲むように生えるハイビャクシン(ヒノキ科)は樹齢750年といわれる見事な木です。
隨心院から南へ徒歩10分ほどに西方寺にがあります。3月~4月にかけて織田有楽斎(信長の弟)が植えたと伝わる、樹齢400年を超える有楽椿(ワビスケ)が土塀越しに咲き誇ります。さらに道なりに北へ徒歩5分ほどで、弘法大師独鈷水(石碑があり、脇の道を登った山頂付近にあります)があります。弘法大師が独鈷(法具)で地面んをついたところ湧き出たとされる水で、醍醐三水(他に上醍醐の醍醐水・赤間薬師堂の威独水)の一つですが、現在飲めるかはわかりません。
さらに南へ徒歩5分ほどで醍醐寺の総門へ着きます。豊臣秀吉が醍醐の花見を行ったことで知られ、今でも桜の名所として春には境内がピンクに染まり多くの観光客であふれます(醍醐寺はみどころも多いので詳細についてはこちらでご紹介しています)。
醍醐寺総門前から旧奈良街道を南へ下ると徒歩10分ほどに善願寺があります。腹帯地蔵(安産祈願)と樹齢1000年を超える榧(カヤ)のご神木に彫られた不動明王(愛宕念仏寺の前住職で仏師だった西村公朝さんが彫られたのもです。生きている樹なのでいずれは表皮で包まれ見えなくなってしまう像です)で知られます。さらに徒歩5分ほどで一言寺(金剛王院)があります(だいぶ階段を登ります)。醍醐寺の塔頭寺院で醍醐五門跡の一つでした。一言(いちげん)観音と呼ばれ一言だけ一心に祈れば願いが叶うといわれ、33年に一度御開帳の千手観音さまがご本尊ですが、前回がいつかはっきりわかっていないようで、次回がいつになるのかわらないようです。
さらに南へ20分ほど歩けば日野のお薬師さんと呼ばれる法界寺があります。親鸞聖人生誕の地で、薬師如来に最澄作と伝わる体内仏が納められていることから、安産・授乳にご利益があるとして乳薬師とも呼ばれます。少し北にある恵福寺にも腹帯地蔵と呼ばれる丈六の木造座像が祀られています(拝観は要予約)。
山科地区から地下鉄で京都の観光名所へ
地下鉄で各所へ
地下鉄・東西線で「太秦天神川(うずまさてんじんがわ)」行きに乗れば、蹴上(けあげ)駅下車で南禅寺方面へ、東山駅下車で青蓮院や平安神宮方面へ、二条城前駅下車で二条城へ、終点の太秦天神川から嵐電(京福電鉄)に乗り換えれば、広隆寺・車折神社など嵯峨野・嵐山方面へ行けます。
途中烏丸御池駅で地下鉄・烏丸線に乗り換えれば、京都駅へ。
反対の「六地蔵駅」に行きJRに乗り換えれば、黄檗駅下車で萬福寺へ・宇治駅下車で平等院鳳凰堂へも行けます。
三条駅で下車して三条京阪駅から京阪電車に乗り換え北へ行けば、出町柳駅からは下鴨神社や鞍馬山・貴船神社へ。また反対の、淀屋橋・中之島方面への沿線には、八坂神社や清水寺、三十三間堂・東福寺・伏見稲荷大社・寺田屋・伏見の酒蔵などなど東山から伏見へかけての観光地が目白押しです。