京都奈良の仏像、特別公開特別拝観とアクセス方法

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大和地蔵十福(御朱印めぐり)

更新日:

南都(奈良)では春日大社に祀られる天児屋根命(あめのこやねのみこと)の本地仏が地蔵菩薩とされたことから盛んに信仰され、いまでも多くのお地蔵さまが残されています。「大和地蔵十福」とはそんな奈良に残されたお地蔵さまを10カ所参拝しご利益を授る御朱印めぐりです。見上げるほどに大きなお地蔵さま、石仏のお地蔵さま、着替えをされるお地蔵さまなどなど、さまざまなご利益を授けてくれるお地蔵さまに会いに行ってみてはいかがでしょう。

大和地蔵十福

この御朱印めぐりに参加されているのは元興寺・十輪院・福智院・伝香寺・帯解寺・霊山寺・金剛山寺(矢田寺)・大野寺・室生寺・聖林寺の10カ所です。
このうち元興寺・十輪院・福智院・伝香寺・帯解寺は比較的簡単にまわることができますが、残りのお寺はちょっと大変です。
公共交通機関を使って移動する場合は全部を一日でまわるのは厳しいかなと思います。

それぞれのご利益・十の福

地蔵十輪経にはお釈迦さまが入滅されて、弥勒菩薩が如来として出現されるまでの56億7千万年といわれる長い長い無仏の時代に、お釈迦さまから衆生を済度する為に遣わされたのがお地蔵さまと説かれています。

また延命地蔵経には地蔵十福が説かれています。
女人泰産(にょにんたいさん・健康で聡明な子供の安産が叶います)
身根具足(しんこんぐそく・健全な心と身体を授けて下さいます)
衆病悉除(しゅじょうしつじょ・さまざまな病気を取り除いて下さいます)
寿命長遠(じゅみょうちょうおん・元気で長生き出来るようにして下さいます)
聡明智慧(そうめいちえ・素晴らしい知恵を授けて下さいます)
財寶盈溢(ざいほうえいいつ・金銭に困らない生活を与えて下さいます)
衆人愛敬(しゅうにんあいきょう・誰からも慕われる人にして下さいます)
穀米成熟(こくまいじょうじゅく・食べ物に不自由しない環境に恵まれます)
神明加護(しんみょうかご・災難に遭わないように護って下さいます)
證大菩提(しょうだいぼだい・極楽に行くことを約束して下さいます)

この十の福を大和にある10の地蔵さまを巡って授けてもらいましょうというのが大和地蔵十福です。
10カ所どの寺務所や受付でも取り扱っていますので、まずは1冊500円で専用の御朱印台帳を購入します(それぞれのお地蔵さまの写真と解説付きです)。御朱印は1ケ所300円で(拝観料は別途)、お好きなところから始められます。

JR・近鉄奈良駅からアクセス

それぞれの奈良駅から公共交通機関で各地へのアクセス方法をご紹介します

1・元興寺・十輪院・福智院・伝香寺へはこちらのページ
2・帯解寺へはこちらのページ
3・霊山寺へはこちらのページ
4・金剛山寺(矢田寺)へはこちらのページ
5・聖林寺へはこちらのページ
6・大野寺・室生寺へはこちらのページ
をそれぞれご覧ください

福智院

こちらのお地蔵さまはとにかくすごいです。お堂自体は決して大きいとは言えないのですが、堂内に一歩足を踏み入れれば地蔵大仏と呼ばれる丈六の座像(国の重要文化財)が迎えてくれます。
船形の光背には560の小さな化仏で千体地蔵を表し、二重円相部には6地蔵。ご本尊と合わせて567体で弥勒菩薩が如来として出現されるまでの56億7千万年の間、お地蔵さまが民衆を救ってくださるという信仰を表現しています。通常は如来に使用される宜字座(せんのじざ・せんじざ)に安座といわれる珍しいお姿で、台座から光背まで合わせておよそ6.8m。お堂いっぱいに祀られるこの像は、威厳に満ちていて圧倒されます。

行事のないときには訪れる方も少なく、お寺の入口で声をかけ参拝させていただくのですが、いつもお寺の方が丁寧に説明をしてくれます。
こちらにはほかに秘仏の宝冠十一面観音像が本尊の右手奥に安置され、春と秋の短い期間に公開されています。また境内入口付近には石仏の将軍地蔵菩薩も安置されています。
(〒630-8381奈良県奈良市福智院町46 0742-22-1358)

十輪院

こちらのお地蔵さまは石仏龕(せきぶつがん)と呼ばれる石でできた厨子に安置されています。高さ・幅はほぼ2・5mあり かつては色彩も施されていたと伝わります。本堂はこの石仏龕を覆うための礼拝堂として建てられたもので国宝に指定されています。
ご本尊の石仏地蔵菩薩(国の重要文化財)を中心に両脇侍に釈迦如来・弥勒菩薩が浮き彫りされ、他にも聖観音・不動明王・十王・四天王などまた上部には北斗七星・九曜・十二宮・二十八宿の梵字が彫られています。
棺やお骨を安置するための引導石が手前に置かれ、少し薄暗く見えずらい場所はお寺で用意されている懐中電灯で照らしてよく見てくださいと案内して頂きました。

こちらには他にも十三重石塔や石に線刻された曼荼羅・不動明王などあり、護摩堂に祀られる不動明王は智証大師作と伝わり、古くから「一願不動尊」として信仰されています。また森鴎外が歌にも詠んだ小さいながらも手入れの行き届いた庭園では四季折々に美しい花々が参拝者を迎えてくれます。
(〒630-8312奈良県奈良市十輪院町27 0742-26-6635)

伝香寺

こちらのお地蔵さまは裸の像に本物の衣服を着け(はだか地蔵)と呼ばれ、毎年7月23日の地蔵会には衣替え法要が行われています(国の重要文化財)。極彩色の四天王が描かれた厨子に安置された穏やかなお顔の仏さまで、体内に納められていた長谷式の十一面観音菩薩と舎利壺は 毎年3月12日の本堂特別開扉の時のみ公開されています。
通常はこの日のみの公開ですが、御朱印めぐりをしていることを隣の幼稚園の入口にある受付で申し出ると、お地蔵さまのみ拝観させていただけます(9:00~17:00)。

本堂に祀られるご本尊・釈迦如来座像は 豊臣秀吉が京都方広寺に建てた大仏の試みの仏と言われています。またこちらは椿が有名で「東大寺の糊こぼし」「白亳寺の五色椿」と共に奈良三名椿に数えられ 、一枚ずつ花びらを散らすことから「散り椿」と呼ばれています。現在のものは3代目で色の盛んな時に散っていくことから「武士の(もののふの)椿」とも呼ばれています。
(〒630-8233奈良市小川町24  0742-22-1120)

元興寺

こちらは印相地蔵と呼ばれ、通常は錫杖や宝珠を持っていますが 何も持たず両手で印を結ばれる珍しい像です。
毎年8月23・24日には曼荼羅堂(極楽堂)の須弥壇上にお地蔵さまを奉安して地蔵会の法要が行われます。両日とも夕刻には万灯供養が行われ、石仏を庭に集めて並べた浮図田(ふとでん)周辺では灯明皿に菜種油が注がれ、藺草(いぐさ)の灯芯に灯されゆらゆら揺れる優しいあかりに心が癒されます。23日には模擬店(夜店)が出店され、24日には奉納演奏が行われるなどにぎやかに催されます。

元興寺は日本で初めて本格的な伽藍として建てられた「法興寺(飛鳥寺)」が、平城京遷都に伴って官寺として新築移転されたものと伝わります。またこのお寺には鬼に関する伝説が残ります。昔、お寺の鐘楼に鬼が出て都の人たちを震え上がらせていたことがあり、その頃尾張国から雷の申し子である大力の童子が入寺して、この鬼の毛髪をはぎとって退治したと言います。

この伝説から鬼を退治する雷を神格化して「八雷神」「元興神」とし、鬼のような姿で表現するようになり「ガゴゼ」「ガゴジ」と呼ぶようになりました。このことからこのお寺の節分会では「福は内・鬼は内」の掛け声とともに豆がまかれ、沢山の参拝者で境内があふれかえります。
(〒630-8392 奈良県奈良市中院町11 0742-23-1377)

帯解寺

こちらのご本尊のお地蔵さまは子安地蔵菩薩と呼ばれ、弘法大師空海の作と伝わる日本最古の求子(ぐし)・子安の像と言われる優しい顔の木造座像です(国の重要文化財)。 お腹のあたりに裳の上端の布や結び紐が表されているところから「腹帯地蔵」とも呼ばれ、古くより子授けの霊験があるとして朝野問わずに信仰されてきました。
お世継ぎに恵まれなかった文徳天皇のお后染殿皇后が春日明神のお告げによってこちらに祈願されたところ、後の清和天皇を無事ご懐妊・ご出産されたことから、無事帯が解けた寺・帯解寺(おびとけでら)と勅命され伽藍も建立されました。江戸時代には徳川2代将軍の正室お江の方や3代将軍側室も無事懐妊・お世継ぎを出産され、近年では美智子様・紀子様・雅子様の安産祈願もされ岩田帯・御祈祷札を献納しています。今でも戌の日には子供を授かりたい方や安産祈願、また無事生れた方のお礼参りでにぎわいます。

御朱印で訪れる場合は、受付けをするとお寺の方が本堂内陣を案内してくれます。順番なので時間のかかることもあり、特に戌の日には場合によっては拝観できないこともあるので注意が必要です。
春(3月初旬の2週間ほど)と秋(11月初旬の1週間ほど)には秘仏の特別公開があります。平安時代の不動明王像や三面六臂大黒天などのほか、皇室より賜った寺宝などちょっと変わったものも展示されていて興味深いです。もちろん地蔵菩薩も併せてお参りできます。なお特別公開の期間中は、受付けが本堂南にある信徒会館になりますのでご注意ください。

聖林寺

ご本尊は子安延命地蔵尊と呼ばれる丈六の大きな石のお地蔵さまで、第一印象はかわいらしいという感じです。
衣も顔も色彩されていて、体に対してお顔が少し大きいかんじがちょとユーモラスでもあるこのお像は、江戸時代の中期にこのお寺の僧だった文春が女人泰産を祈念して、石仏を造立することを願掛けし4年7カ月にも及ぶ托鉢によって造像されたと伝わります。文春の姉がお産で難儀していたこともあったためといわれ、造像にあたっては夢枕に地蔵菩薩が現れて自ら仏師を指定したといわれます。

こちらのお寺、ご本尊のお地蔵さまよりも国宝に指定されている十一面観音立像の方が有名です。秘仏とされていた禁をといたフェノロサが絶賛したと伝わり、元は大神神社の神宮寺だった大御輪寺のご本尊でした。光背は破損してしまい残った部分は奈良国立博物館に寄託されていますが、2014年に西陣織で見事に復元されました。本来はヒノキで彫刻されたものでしたが、高額なことと安置する建物への影響も考慮され織物での復元となりました。きらびやかな光背が神々しくもあり、往時はきっと観音様も黄金に輝き参拝される方を見守ってくれていたことでしょう。

観音様の安置される収蔵庫(観音堂)は本堂より長い階段を上った先にあります。日本で初めて国宝を収蔵するためにコンクリートで造られた建物のため、地震への備えはなく耐震性のある新しい収蔵庫建立のためのご寄進を募っています。ご興味のある方は(聖林寺公式ページ)をご覧ください。
(〒633-0042奈良県桜井市下692  0744-43-0005)

霊山寺

こちらのお地蔵さまは像高80㎝と決して大きいとは言えませんが、截金(きりかね)模様や彩色も残り、端正な顔立ちには威厳も漂います。本堂の外陣に安置されていますので、いつでも参拝させていただけます(国の重要文化財)。(内陣は通常非公開で秋の特別拝観時とお正月3が日などに、ご本尊の薬師三尊像や四天王像が公開されます)
そしてもう一体、腰抜け地蔵(縄掛け地蔵)と呼ばれる石仏があります。御朱印のお地蔵さまではありませんが、荒縄を巻き付けて祈念すれば腰痛や下の病気にご利益があるといわれています。ゴルフ場近くにポツンとあるので見逃してしまいそうですが、腰痛の悩みがある方は是非お参りくださいませ。
みどころが盛りだくさんのお寺です。

まず入口の橋から大きな鳥居が見え、通常お寺は棘のある花はNGとされますがきれいなバラ園で有名です(春と秋の最盛期のみティールームが営業され、バラのアイスやローズティーなどがいただけます)。境内にゴルフの練習場や湯屋(温泉)もあります。こんなことを書くと新興の観光寺院??と思われる方もいるかもしれませんが、歴史は古く創建は天平の頃にさかのぼります。

湯屋に祀られた薬師如来は聖武天皇の皇女で後の孝謙天皇の心の病を治したとも伝わり、鳥居は弘法大師がこの山で感得した龍神様を、水の神である辨才天として奥の院に祀っていることから聖域を意味するものです。年に一日11月3日にのみ公開される三重塔の壁画(五大明王像など)や秋に公開されるご本尊などなど寺宝も多く、あまり見かけない念珠型の指輪守りも授与されています。境内は思いのほかアップダウンが激しいので、歩きやすい靴でお出かけくださいませ。
(〒631-0052奈良県奈良市中町3879 0742-45-0081)

金剛山寺(矢田寺)

日本最古の延命地蔵尊とされ、錫杖を持たずに親指と人差し指で輪を作る「矢田型地蔵」と呼ばれています(国の重要文化財)。こちらのお地蔵さまは、事前に御朱印の巡拝ですと連絡をしておくと、内陣から特別に拝観させていただけますので、忘れずに連絡をしてから伺いましょう(6月の特別公開時以外は通常非公開です)。等身大のちょっとぽっちゃり・どっしりした感じを受けるお地蔵さまです。

元は十一面観音さまと吉祥天さまがご本尊でしたが、満慶上人によって地蔵菩薩が祀られるようになってから、地蔵信仰の中心地となりました。「矢田地蔵縁起絵巻」によれば、満慶上人は地獄で裁きを行うことに悩んでいた閻魔さまに戒を授け、悩みを取り除いたことでお礼に地獄を見学させてもらうことになります。その際に業火の中で亡者の代わりに責め苦を受ける地蔵菩薩の姿に感銘を受け、現世に戻ってその姿を刻んだ像を安置した事が地蔵信仰のはじまりといわれます。(このことから代受苦地蔵・じゅだいくじぞうとも呼ばれます。)

満慶上人は後に満米(まんまい・まんべい)上人とも呼ばれるようになりますが、これは地獄より戻る際に閻魔さまからお土産としてもらった小箱に沢山お米が詰まっていて、食べても食べても尽きることがなかったといわれることからです。
御朱印のお地蔵さまのほかにも、ご本尊のお地蔵さまに先だってつくられたと伝わる「試みの地蔵」(実際はこちらの像の方が新しいです)・家庭で作った味噌を口元にぬると味噌の味が良くなると里の人々に信仰された「みそなめ地蔵」もいらっしゃいます。

境内には大正時代に開かれた四国八十八ケ所めぐりのできるコースが整備されています。一周4.5㎞(およそ約一時間半・体力次第でもうすこしかかるかもです)の里山を歩きながら霊場巡りができ、奈良盆地を見下ろす景色も楽しめます。
あじさいのお寺として有名で、60種1万株のアジサイが5月の中旬頃から9月にかけて境内を彩ります。この時期に合わせて6月の一か月間本堂の内陣が特別公開されます。現在のご本尊・地蔵菩薩立像や元のご本尊十一面観音菩薩・吉祥天、閻魔堂の閻魔像などが公開され、花見に訪れた方々で境内はにぎやかになります。
バスで訪れる場合は、少し長い階段を上っての参拝になりますので、歩きやすい靴などでどうぞ。(タクシーの場合は本堂近くまで連れて行ってもらえます)
(〒639-1058奈良県大和郡山市矢田町3549 0743-53-1445・矢田寺大門坊)

実は矢田寺は京都にもあります。奈良の矢田寺の別院として建立され、現在は三条寺町の街中にあります。小さなお堂ですがお盆にご先祖を冥途へ送る「送り鐘」で知られ、こちらのお地蔵さまは常時拝観できます(本堂内には入れません)。
本来光背だったとされる焔が手前に置かれ、地獄の業火の中にいらっしゃるようなお姿です。ニコニコ笑顔でかわいらしい手作りのフェルト地蔵守りが人気で、お地蔵さまが亡者を救っている様子の描かれた絵馬もあります。

大野寺

こちらのお地蔵さまは、身代わり焼け地蔵といわれる旧国宝です(現・国の重要文化財)。無実の罪の女性が火あぶりの刑に処せられるところへ地蔵菩薩が現れ、身代わりに立たれたことから半身が焼けていると伝わります。焼け跡は背中にあるそうで正面からはわかりませんでした。(お寺の方のお話によれば、この焼け跡によって国宝の指定から外れたとのことでした)

室生寺周辺には室生寺四大門と呼ばれるお寺があります。東西南北の四方の参詣道の入口に末寺が置かれ、往時にはそれぞれの大門から室生寺を目指す方でにぎわったといわれます。大野寺は西の大門とされ、他に東・長楽寺/北・丈六寺/南・仏隆寺があります。
宇陀川対岸に掘られたおよそ14mの弥勒磨崖仏で知られ、最寄駅から5分も歩けば生垣沿いにしだれ桜と小さな門が見えてきます。春にはお花見でにぎわいますが普段は静かなお寺です。

境内には対岸の弥勒仏を拝むための建物が建てられ、線刻のためはっきりとは見えない弥勒さまを柱にはられた線刻図と対比しながら拝むことができます。望遠のレンズなどがあると良いかもしません。また少し左の後方には大黒天の磨崖仏もいらっしゃいますよとお寺の方に教えていただきました(対岸にある道路沿いにありこちらは線刻ではなく浮き彫りにされています)。室生寺へ至るバス路線の停留所がすぐ近くにありますので、時間を確認の上参拝されるとよいでしょう。
(〒633-0315 奈良県宇陀市室生大野1680  0745-92-2220)

室生寺

こちらのお地蔵さまは彩色の残る大きな光背を背に瓔珞で胸元を装飾され、左手には宝珠を右手は何も持たないお姿の古い様式の像です(国の重要文化財)。金堂に祀られる仏像群の向かって右側に安置され、光背に比べてやや小さい印象を受けます。実はこちらのお地蔵さまは本来のお像ではなく、北へ6㎞ほどの中村地区にある安産寺で守られている地蔵菩薩像(こちらも国の重要文化財です)がもともとの像といわれ、かつて東京国立博物館で本来のお姿で特別公開されたことがあります。
安産寺は住職のいないお寺で、お地蔵さまは地元の方々に大切に守られ1月24日と毎月9日などに公開されていますが、事前に連絡をしておけば参拝させていただけます。(0745-92-2001・室生地域事務所)

室生寺は女人高野とも呼ばれ写真家の土門拳や入江泰吉にも愛された山間にあるお寺です。美しい五重塔は屋外にあるものでは日本で一番小さい塔で、法隆寺の塔に次ぐ古さといわれます。1998年の台風被害では、倒木による無残な姿に衝撃を受けましたが見事に再建されています。
また3体の国宝仏をはじめとする仏像の宝庫です。

金堂には釈迦如来立像(国宝)をはじめ、ふっくらした頬で女性らしいといわれる十一面観音立像(国宝)・地蔵菩薩立像・薬師如来立像・文殊菩薩立像・十二神将像などが祀られています。秘仏はなく通常はお堂の外から参拝させていただくのですが、春と秋の特別期間にはお堂の外陣に入っていつもより近い位置での拝観ができます。(なお釈迦如来坐像(国宝)の安置されている弥勒堂は、改修中のため2019年3月末まで拝観できません)。4月中旬から5月中旬にかけては約3000株といわれるシャクナゲが境内を彩ります。どのお堂にも階段を上っていかなければいけないので、歩きやすい靴でお出かけくださいませ。
(〒633-0421奈良県宇陀市室生78  0745-93-2003)

追記:2019年に東京国立博物館で「奈良大和四寺のみほとけ」展が行われ、金堂の仏様が公開されました。
室生寺では鎧坂の下に宝物館が新設され、これよりのちはこちらに遷される仏様もあり、金堂でずらりとならんがお姿を拝観することはできなくなりました。残念ですが、台風で五重塔が大破する被害を被ったことなどを考えれば、宝物を守るという観点からはしかたないことではあります。でも残念。

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