今宮神社は時代劇のロケ地としても知られ、春に行われる「やすらい祭」は京都の三奇祭の一つです(残りの二つは鞍馬寺・鞍馬の火祭と広隆寺・太秦の牛祭です)。徳川5代将軍綱吉の生母・桂昌院ゆかりの地として玉の輿にもご利益があるとされています。
今宮神社のみどころ
今宮神社のある地には、平安遷都以前から疫神を祀る社があったと伝わります。
正暦5年(994年)、都が平安京に移されてから度重なる厄災を鎮めるため、この地に祀られていた疫神を二基の神輿を造営して船岡山に安置し、紫野御霊会を営んだのが神社の起源といわれています。
この時、都中の老若男女が綾傘に風流を施し(華美な装飾をすること)お囃子に合わせて歌い踊り神輿のお供をし、厄災を移した人形(ひとがた)を難波江に流したといわれます。これが今に続く京都の三奇祭の一つ「やすらい祭」のはじまりです。(残りの二つは鞍馬寺・鞍馬の火祭と広隆寺・太秦の牛祭)
そして1001年に再び疫神を船岡山よりこの地に遷し、新しく社を造営したのが現在の今宮神社です。
御祭神は
大己貴命(おおなむちのみこと)
事代主命(ことしろぬしのみこと)
奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)
摂社の疫社には
素戔嗚尊(すさのをのみこと)
他に織姫社(織物の祖神)・大将軍社・地主稲荷社・月読社・宗像社・若宮社・日吉社・八社など、日本神話でおなじみの神々が数多く祀られています。
奇祭「やすらい祭」と「今宮祭」
昔は花の散る頃、花の精にあおられて悪疫が飛散するため疫病が流行ると考えられていました。そこでお囃子や歌舞で追い立てて風流を施した花傘に疫神を宿らせ、疫社に送りお鎮まりいただく事で厄災は広がらずにおさまる(はず)との想いの込められた祭事で「やすらい花」とも呼ばれています。
ですが毎年行われるようになった「やすらい祭」は余りに華美になりすぎて、勅命によって中止されると徐々に衰退し、応仁の乱で一度は中断されていました。
江戸時代になって、五代将軍徳川綱吉公の生母・桂昌院の寄進によって再興され今では毎年4月の第二日曜日に行われています。
行列は「練り衆」と呼ばれ「花傘」を先頭にお囃子や鬼などが続くとても賑やかな花のお祭りで、この花傘に入るとその年の厄は除かれると言われています。またお祭りの日が晴天に恵まれると、その年の京都のお祭りはすべて晴れると言われています。
5月に行われる「今宮祭」では神輿の渡御や湯立祭が行われ「西陣の祭り」として地元の方々に親しまれています。
拝観時間
境内自由
御祈祷などは9:00~17:00
JR京都駅からのアクセス
1・市バス206系統(大徳寺・北大路バスターミナル行き)で「船岡山」下車して徒歩7分ほど
2・市バス205系統(金閣寺方面行)で「船岡山」下車して徒歩7分ほど
今宮神社の周辺地図
年間行事
1月1日 | 歳旦祭 |
1月19日 | 疫神社疫神祭 |
2月3日 | 節分祭 |
4月第二日曜日 | やすらい祭 |
5月5日 | 今宮祭・神幸祭 |
今宮祭・湯立祭 | |
5月第二(または第三日曜日) | 今宮祭・還幸祭 |
6月30日 | 大祓(夏越祓) |
8月7日 | 織姫社七夕祭 |
10月8日 19:00~ |
例大祭・前夜祭(御神楽奉納) |
10月9日 10:00~ |
例大祭(東遊奉納) 神事舞の奉納です |
11月23日 | 大将軍社・火焚祭 |
12月第一日曜日 | 地主稲荷社・火焚祭 |
12月31日 | 除夜祭 |
玉の輿
桂昌院といえば・超がつくほどの玉の輿で有名です。
西陣の八百屋の娘だった「お玉」が三代将軍徳川家光公の側室になって綱吉公を生み、従一位のくらいまでのぼりつめたことから「玉の輿」という言葉が出来たといわれます(諸説あります)。
故郷・西陣への思い入れが強く、氏神であった今宮神社の荒廃を知ると社領の寄進をし社殿の修復・祭りの復興など再興に力を尽くされました。(この方は他にも全国のさまざまな寺院に寄進されていますのであちこちでお名前を見かけますね)
玉の輿を願う参拝者にひそかな人気で、授与される「玉の輿守り」は西陣らしく生地に西陣織の生地が使われ、八百屋の娘だったといわれることから聖護院大根や賀茂なすなどが織り込まれています。カラフルなバリエーションでお土産にも人気だとか!!
名物あぶり餅
そして今宮神社といえば門前の「あぶり餅」です。
小さくちぎって、きな粉をまぶしたお餅が串にさされていて、炭火で炙られちょっと焦げ目のついたところに白みそだれが絶妙にからみあっている・・・
TVや雑誌などでも度々取り上げられているのでご存知の方は多いでしょう。
東門の門前には道を挟んで2件のお店があり、「一文字屋和助」さんが創業1000年、「かざりや」さんが創業400年をうたう共に歴史ある老舗で、境内の朱塗の橋と共に時代劇のロケでも度々使用される趣のあるスポットです。
今宮神社を訪れたらこれは外せません。おなかに余裕のある方は是非食べ比べを!
奇石「阿呆賢さん」
境内に「阿呆賢さん」(あほかしさん)と呼ばれる神占石があります。
病気の方が心を込めて病気平癒を願ってこの石を軽く撫で、次に自分の悪いところをさすると回復が早まるといわれます。
またまずこの石を軽く三度たたいて持ち上げます。今度は願い事を念じながら三度手のひらで撫でて持ち上げ、さっきよりも軽く感じれば願いが叶うといわれています。
おもかる石ですね。そういえば伏見稲荷を訪れたときにも同じような石がありました。
こちらは平たい石ですが、あちらは石灯籠の頭の部分が持ち上げられるようになったものでした。
結果は・・・
お願い事をしてお確かめくださいませ。