平安初期に右大臣・清原夏野の山荘を、没後にお寺に改めたのがはじまりと伝わります。 後に文徳天皇の発願により伽藍を建立するも衰退し、 さらに平安末期に待賢門院によって再興され法金剛院と改号したと伝わります。
法金剛院の見どころとアクセス
「蓮の寺」として有名で、関西花の寺二十五ケ所の第十三番目のお寺です。「苑池」を中心に境内の東半分ほどは極楽浄土を表現したといわれる池泉回遊式浄土庭園になっていて 7月~8月の中旬にかけて蓮の花が池を埋め尽くします。
この庭園には北側に平安時代に造られた「青女の滝」があり、作者がはっきりとしている日本最古の人工の滝として、背後の五位山と共に国の特別名勝に指定されています。滝や池の周辺にはカエデ・しだれ桜・アジサイ・ハナショウブ・菩提樹・沙羅双樹(ナツツバキ)などなど、沢山の木々や花が植えられています。見事なしだれ桜は中興の待賢門院ゆかりの桜として「待賢門院桜」また花の色が紫色に見えることから「紫のしだれ桜」と呼ばれ、夏にはさまざまな種類のハスが境内を埋め尽し・秋には真っ赤な紅葉と四季折々に美しい、高貴な方々が思い描いた極楽を表現したお庭です。
拝観時間・拝観料など
通常 | 9:00~16:00 | 大人500円小中学生300円 |
ハスの花の開花時期 7月~8月上旬 |
7:00~16:00 | |
毎月23日 | 金目地蔵菩薩坐像の法要(非公開) | ガラス越しですが地蔵尊は常時拝観できます。 |
JR京都駅からのアクセス
1・JR京都駅から山陰本線(園部・亀岡方面行き)で「花園駅」下車して徒歩2~3分ほど
2・市バス205系統(金閣寺・北大路バスターミナル行き)で「北野白梅町」下車して、嵐電(京福電気鉄道)に乗り換え「妙心寺駅」か「御室仁和寺駅」で下車して南へ1㎞(徒歩12~13分)ほど 。
※妙心寺南総門から徒歩5分ほどです。
法金剛院と周辺地図
ハスの花に隠れた仏像の宝庫
蓮の花に隠れていますが、実は重要文化財の仏さまの宝庫で公開もされています。
まずは仏殿に安置されるご本尊・丈六阿弥陀如来座像(国の重文)。 平等院・法界寺の阿弥陀様と共に定朝の三阿弥陀と呼ばれていました。
お隣には厨子入十一面観音菩薩座像(国の重文)。 豪華な瓔珞(ようらく・ネックレス)に身を包み珍しい四臂(四本の腕)の十一面観音菩薩像です。 厨子にも鮮やかな色彩が残り十二天がびっしりと描かれてるのがよくわかります。
そして毎月23日に法要が行われているわれている金目地蔵菩薩座像(国の重文)。 こちらも丈六の大きな仏さまで六地蔵を従えています。
名前の由来は、願いが叶う(かなう)が転訛したとも、肝心要(かなめ)の時に救ってくださるからとも、お地蔵様の白目の部分に金箔が張られていたからとも言われるそうです。 ここまで大きなお地蔵さまはなかなか珍しいです。ガラス越しではありますが常時拝観できます。
ほかにも地蔵菩薩立像・僧形文殊菩薩像(ともに国の重文)・ 庭には仏足石などもありなかなかに見ごたえのあるお寺です。