室町幕府8代将軍足利義政が山荘として造営した東山殿が、義政の没後・遺名により禅寺の寺院になり 法号をとって慈照寺とされました。3代将軍義満の造営した鹿苑寺(金閣寺)と共に臨済宗相国寺の山外塔頭寺院です。
銀閣寺(慈照寺)のみどころとアクセス
琵琶湖疏水沿いに南北2㎞ほど続く「哲学の道」の北の入口から東へ橋を渡って5分ほど坂道(参道)を歩けば突き当りに総門が見えます。総門から参拝受付口までは銀閣寺垣と呼ばれる背の高い垣根に囲まれた道が続き、ここを歩いているとこの先に広がる景色に心躍ります。
拝観時間や拝観料
拝観期間 | 拝観時間 | 拝観料 |
3月1日~11月30日 | 8:30~17:00 | 高校生以上 500円 小中学生 300円 |
12月1日~2月末 | 9:00~14:30 | |
特別拝観時は時間の異なることがあります | 特別拝観時は拝観料が異なることがあります | |
春の特別公開 3月中旬~5月5日頃 秋の特別公開 10月1日~11月末頃 |
10:00~ 11:00~ 12:00~ 13:30~ 14:30~ 15:30~ |
拝観料は別途1000円(東求堂にて1時間前から受付) 当日申し込み順の20名ごとに ガイドの案内による拝観で所要時間約30分 自由に拝観はできません通常非公開の本堂・東求堂(国宝)・弄清亭(ろうせいてい)など*毎年カレンダーによって開催期間が異なります。 詳細は銀閣寺公式HPでご確認の上お出かけください。 |
JR京都駅からのアクセスと周辺の観光名所
1・市バス100系統(清水寺・銀閣寺行き)で終点の「銀閣寺前」下車して 徒歩5分ほど
2・市バス5系統(銀閣寺・岩倉行き)で「銀閣寺道」下車して徒歩10分ほど
3・市バス17系統(錦林車庫行き)で「銀閣寺道」下車して徒歩10分ほど
周辺の観光名所
琵琶湖疏水沿いの銀閣寺参道入口付近(銀閣寺前バス停の前)には白沙村荘があります。橋を渡らずに疏水沿いを南へ行けば哲学の道が約2㎞にわたって続き、2分も歩けば幸せ地蔵尊の弥勒院があります。(余談ですが境内前にはちょっとした休憩のできるベンチが置かれていて、南側から歩いてきてこのお地蔵さまののぼりが見えてくるとそろそろ銀閣寺だなと感じます。)
哲学の道には所々に東側へ渡る橋が何本か架かり、銀閣寺前から南北へ続く道へつながり、そちらの道沿いには法然院・安楽寺・霊鑑寺など通常は非公開ながら期間限定で公開される寺院があります。他にも狛ねずみのある大豊神社、哲学の道の南側入り口には八咫烏(やたがらす)がシンボルの熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ)があります。(熊野若王子神社の境内には休憩スペースがあり自販機が設置されています。社務所に声をかけるとトイレをお借り出来ますが、マナーよくしてきちんと神社にお参りしましょう。約2㎞続く哲学の道ですが、銀閣寺付近に公衆トイレがあるだけで途中にはありません。)
周辺のお食事処
哲学の道には食事やお茶のできるカフェや甘味処、漆塗りのお店や雑貨屋さんなどおしゃれで素敵なお店が沢山あります。40年続く京湯どうふ㐂さ起(きさき)では湯豆腐や京料理がいただけます。江戸時代から続く老舗のお菓子屋さん五建外良屋(ごけんういろや)では庭を眺めながら甘味や軽食をいただけます。あぶらとり紙で有名なよーじやさんのカフェでは庭園を望めるお座敷で甘味を、予約をすれば2階でお弁当もいただけ、もちろんグッズの販売もされています。叶 匠寿庵(かのう しょうじゅあん)では甘味やお弁当のほか、要予約でイスとテーブルのお茶席でのお点前も楽しめます。少し離れますがつたのからまる趣のある洋館GOSPEL(ゴスペル)ではケーキや洋食がいただけます。他にも外観に趣のあるお店が多くあり、散策しながら自分なりのお気に入りを見つけるのも楽しいでしょう。
銀閣寺と周辺の観光名所や食事処など
銀閣寺と金閣寺
南より哲学の道を進んでくると最後には急に開けた感じのところへ出ます。
琵琶湖疏水に架かる石橋を渡ると坂道になり両脇に土産物屋の並んだ参道が続きます。坂を登り切ると石畳の道になり突き当りに総門が見え、その先に銀閣寺垣と呼ばれる背の高い生垣が現れます。受付を済ませて境内に入るまで中は見えません。
銀閣寺は祖父義満の造営した金閣寺とよく比較をされますが キラキラ派手派手の金閣寺に比べ、わびさびの落ち着いた雰囲気を持った東山文化を代表する建物です。とはいうものの義政は観音殿(銀閣)を作る際は何度も金閣寺を訪れたといわれています。
近年の調査では2階の外壁は黒漆で塗られ、彩色の施されたものだったようで 一部再現されたものが展示されています。
最後に建築されたこの建物の完成を見ないまま義政は亡くなったといわれます。
現存最古の4畳半は春と秋の特別拝観で
京都を焼き尽くし10年にも及んだ応仁の乱の元凶を作った人ですが、 文化に関しては数々の功績があります。
国宝の東求堂は義政の持仏堂として建てられたもので4つある部屋のうち、4畳半の部屋「同仁斎(どうじんさい)」は書院造の原型になったともいわれ、現存最古のものです。後の和風建築に多大な影響を及ぼす建物になり、茶室の元になったとも言われています。
仏間には阿弥陀如来立像と木造の義政像があり、そこから観音殿(銀閣)や銀沙灘が見えます。
通常は非公開で、春と秋の特別公開の時などに拝観することができます。
特別名勝と特別史跡にに指定される庭園
庭園は西芳寺(苔寺)の庭を参考に善阿弥によって作庭されたと伝わり、 銀閣周辺の池泉回遊式庭園とお茶の井庭園と呼ばれる枯山水風の2段に分かれた構造になっています。
月待山を借景に四季折々に美しい姿をみせ、国の特別名勝・特別史跡に指定されています。
また本堂前にある銀沙灘(ぎんしゃだん)や向月台(こうげつだい)が有名ですが こちらは近年の作と思われ、月を楽しむためのものではないかと言われていますが はっきりしたことはわかっていません。
お茶の井庭園側は結構なアップダウンですが、銀閣を見下ろすようにぐるりと散策ができ 屋根にある鳳凰もよく見えます。
こちらは昭和6年に発掘された石組があり作庭当時の遺構そのままとされます。
井泉は義政愛用のお茶の井跡といわれ、現在もお茶会等に使われています。
室町末期の戦火で観音殿(銀閣)と東求堂以外は灰塵に期し、江戸時代に大改修が行われ現在に至りますが、 中世の貴重な建築物としてこの2つは国宝に指定され、庭園も特別名勝・特別史跡に指定されるなど世界遺産にふさわしい場所です。
義政・大文字送り火とお花見
毎年8月16日に行われる五山の送りの一つ、大文字は銀閣寺の東南・如意ヶ嶽(西の支峰が大文字山)にある火床に点火されます。
義政が息子の義尚の菩提を弔うためにはじめたともいわれています。(諸説あってほかの説は五山の送り火ページをご覧ください)
哲学の道南入口付近の「熊野若王子神社」では1465年3月に義政により花見の宴が催されたと伝わり、境内の裏山には桜花苑もあります。
知る人ぞ知る穴場スポットで、桜の季節には市内を見下ろす高台からお花見が楽しめます。こちらは生涯で34回も熊野詣をされた後白河法皇が紀州熊野より勧請して創建した神社で、境内より東に少し山を登った先には那智の滝に見立てられた滝(千手滝不動尊)もあり、ひっそりと京都のお花見と散策が楽しめます。
余談ですが以前春に銀閣寺を訪れたときに銀閣寺前の道を法然寺方面に下ってきて迷子になってしまったことがあり(笑)、ノートルダム女学院付近で地元の方に声をかけられ、霊鑑寺から東へちょっと登っていくと川が流れて桜のきれいに見える場所があるよと教えていただきました。地元の方の情報ならば期待できると体力に自信のない中年夫婦2人・・・「ちょっと」といわれ坂道を上っていったのですが、川のせせらぎは聞こえてこず、あまりの坂道に途中で断念して戻りました。
後で調べたところ教えていただいた道は、平家打倒の密議「鹿ヶ谷の陰謀(鹿ヶ谷事件)」の舞台になった山荘跡へと続く道で、頑張って登っていけば桜谷川が流れさらに登れば楼門の滝があったようです(日本語ってむずかしいですね~)。大文字山まで続く登山ルートの一部(京都一周トレイル)で、途中から山道になるので時間があって挑戦したい方は、歩きやすい靴でお出かけください。
教えていただいた地元の方、ありがとうございました。いつかリベンジしたい・・・ かな