◆元興寺(極楽坊)近鉄奈良駅からアクセス
近鉄奈良・JR奈良駅から奈良交通バス天理駅・下山行き「福地院前」下車徒歩7~8分ほど
または近鉄奈良駅から徒歩20分ほど
◆元興寺(極楽坊)拝観時間
9:00~17:00(受付は30分前まで) 大人500円(秋季特別展期間は600円)
中・高校生300円小学生100円
◆元興寺(極楽坊)簡易歴史解説
飛鳥の地に蘇我馬子が建立した日本最古の本格的な仏教寺院「法興寺」が前進です。
平城京遷都の際に飛鳥から現在の地に移され、元の法興寺は今も飛鳥寺として残っています。
◆元興寺(極楽坊) 特別展で拝める知光曼荼羅と阿弥陀如来
かつては南都七大寺の一つとして広大な寺域を誇りましたが中世以降に衰退し、
現在では「元興寺極楽坊」「元興寺(塔跡)」「元興寺小塔院跡」 が史跡元興寺として指定され点在しています。
元興寺極楽坊は猿沢池の南に広がるならまちの一角にありますが、もとはこの一帯は寺域だったと伝わります。
奈良時代に智光が描かせた「智光曼荼羅」(浄土曼荼羅)が伝わり、庶民の浄土信仰の拠点で、この曼荼羅を祀ったお堂が極楽坊と呼ばれていました。
境内からは近住の方たちが極楽往生を願って造立した多数の石仏が発見されていて、整然と並べられた石仏群は浮図田(ふとでん)と呼ばれています。
寺の衰退や土一揆・火災によって多数あった建物は極楽坊の本堂と禅室だけになっていますが、これは国宝に指定されています。
屋根の一部には飛鳥法興寺から移されたとみられる瓦が用いられ、行基葺と呼ばれる丸瓦が美しく屋根を飾ります。
毎年秋に行われる特別展では知光曼荼羅をはじめ、木造五重小塔・木造阿弥陀如来坐像などが公開されます。
昔、このお寺には鬼が出て都の人々を大変怖がらせましたが、雷の申し子である童子が入寺し、鬼の毛髪をはぎ取って退治したという伝説が残ります。
この説話から雷を神格化し鬼のような姿を「元興神(がごぜ)」と称し、ストラップや絵馬などにデザインされています。
節分会では盛大な護摩供や火渡りなど行われ、参拝に訪れる方たちで境内は埋め尽くされます。
お寺は奈良県内十か寺の地蔵をめぐる「大和地蔵十福」に参加されています。
こちらは印相地蔵と呼ばれ、通常は錫杖や宝珠を持っていますが 何も持たず両手で印を結ばれる珍しい像です。
南都では春日社に祀られる天児屋根命(あめのこやねのみこと)の本地仏が地蔵菩薩とされたことから、盛んに信仰されたため他にも多くのお地蔵さまが残されています。