元は嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」で、9世紀に寺となり大覚寺となりました。正式には「旧嵯峨御所大本山大覚寺」真言宗大覚寺派の本山です。
後嵯峨・亀山・後宇多と三人の法皇が入寺し「嵯峨御所」とも呼ばれ、明治まで代々法親王が住持を務める格式高い門跡寺院でした。嵯峨三名跡の一つです(ほかに二尊院・天龍寺)
大覚寺 みどころとアクセス
霊宝館に五大明王が安置されています。 平安期・室町期・江戸期と、複数の明王さまを参拝できます。
東寺、醍醐寺と並び、五大明王を拝観したい方にはオススメしたいスポットです。
日本最古の人工の庭湖と言われる国指定名勝・大沢池には約1㎞の周囲に多くの桜や楓が植えられ、建物とともに池に映る季節の彩も美しく、毎年中秋の名月には舟を浮かべて「観月の夕べ」がにぎやかに行われています。
天皇陛下御宸筆の般若心経
平安時代に飢饉によって疫病が広まったおり、弘法大師空海のすすめにより嵯峨天皇が般若心経を、一字三礼(いちじさんらい・一文字書くごとに三回礼拝する)にて写経され、檀林皇后は薬師三尊像を金泥で浄書され、弘法大師が嵯峨院持仏堂・五覚院で五大明王に天下泰平を祈念されたことによって疫病が治まったといわれます。
「勅封心経殿」にはそのおりに写経されたお経が勅封(60年に1度の開封)として納められ、「心経前殿(御影堂)」から心経殿を拝することができます。
勅封心経殿にはほかにも後光厳・後花園・後奈良・正親町・光格と六人の天皇ご宸筆の般若心経が納められ、薬師如来が祀られています。
(2018年に開封公開され話題になりました。次はまた60年後・・・無理です)
写経の根本道場としても知られ、五大明王の祀られる五大堂(本堂)で、写経・写仏を体験できます。心静かに写経を体験された後、本堂から張り出すように建てられた観月台からしばし時を忘れてのんびり大沢池を眺めれば、何か得られるものがあるでしょうか・・・
五大明王がいっぱい!!
個人的には、大覚寺と言えば五大明王さまです。
霊宝館には、平安時代後期・定朝の流れを汲む円派仏師・明円作の五大明王像と、鎌倉・室町・江戸期の五大明王像・大小二組の明王様が祀られています。
明円作五大明王像は一体ずつ厨子に納められ、像高50~70㎝と小ぶりながらもそれぞれに迫力のあるお像で国の重要文化財に指定されています。
もう一組は一部は国の重要文化財に指定される鎌倉・室町・江戸期の等身大の大きなお像になります。
個人的にはお堂で祀られたらもっと迫力がある感じになるのだろと思ったりもしますが、損傷がはげしく霊宝館ができたことで修復後に大覚寺に戻されたことを考えれば、仕方のないことだとは思います。せめてあの柱と背景がもう少し違ったらな~・・・
春と秋に特別名宝展で公開されますので、お時間の合う方はぜひどうぞ。
名勝・大沢池と嵯峨菊
日本最古の人工の庭湖と言われる国指定名勝・大沢池。
中秋の名月に行われる「観月の夕べ」では池に龍頭舟、鷁首(げきす)舟が浮かべられ優雅に観月を楽しめます(要予約)。
唐の洞庭湖を模して造られたと伝わる池泉舟遊式の庭園は、散策路が整備されていて歩いて回ることもできますが、池の周辺は約1㎞あり歩いて周るとそこそこのボリュームがあります。
でも・・・にぎやかなのは時代劇の撮影スポットとしても有名な心経宝塔など建物が多くある辺りまでで、少し離れたところにある竹林や「名古曽の滝跡」、そこから南側に続く散策路には歩いて来られる方は少なくちょっと寂しい感じです。
池ごしにお堂全体が見渡せる絶景スポットがあるのにな~もったいない!!
いけばな「嵯峨御流」の総司所(家元)でもあり、秋には細い花びらの「嵯峨菊」(嵯峨野独特の野菊)が境内で公開されます。日本三大名菊の一つで(ほかに江戸菊・肥後菊)、大切に受け継がれる門外不出の菊です。
嵯峨天皇が大沢池の「菊ヶ島」に咲く野菊を手折って器にいけ、「後世、花を賞づるもの、宜しく之をもって範とすべし」と述べられたのがはじまりとされ、これをもっていけばな発祥の花の寺とされています。(いけばなの発祥については諸説あります)
門跡寺院大覚寺
大覚寺第21代門跡であった後嵯峨上皇の後、皇位継承をめぐってニつの血筋で分裂がおこり、亀山・後宇多と続く皇統は後宇多法皇が大覚寺に住したことで大覚寺統と称されるようになります。
もう一つの持明院統と称される皇統との皇位継承争いが南北朝時代へとつながっていく中で、大覚寺は戦火に巻き込まて甚大な被害を被っていきます。
南北朝媾和によって和解が成立しますが、その話し合いは大覚寺正寝殿で行われ、その際に北朝(持明院統)の皇統に三種の神器が引き継がれています。
応仁の乱のでも戦火に巻き込まれ荒廃していた時期もありますが、大正天皇の即位式に使用された饗応殿が移築された心経前殿(御影堂)、東山にあった安井門跡蓮華光院の御影堂が移築された安井堂(御影堂)、後水尾天皇中宮・東福門院の女御御殿を移築したものと伝えられる宸殿(国重文)、など皇室ゆかりの建物が移築され復興されています。
狩野永徳による障壁画・狩野山楽や渡辺始興による襖絵や、多くの天皇宸筆の文書など、国宝や重要文化財を多く所蔵され、嵯峨御所としての雅を現在も伝えています。
拝観時間・拝観料など
お堂エリア 9:00~17:00(16:30受付終了) 大人500円
大沢池エリア 9:00~17:00(16:30受付終了) 300円
※大覚寺の塔頭寺院・祇王寺との共通の拝観券があります。(歩くと25分ほどで少し離れていますが。苔の美しいお寺で人気です。)
★節分会(星まつり) 節分の日
大般若経転読法要が行われ、福豆がまかれます。お守りのついた開運福豆の授与もあります(1月中旬~数量限定)。
★春季名宝展 3月中旬~5月中旬
★秋季名宝展 10月~11月頃
霊宝館にて五大明王像など寺宝が特別公開されます。
★嵯峨天皇奉献 華道祭 4月中旬
嵯峨御流のいけばなが鑑賞できます。
また皇族の方々が宴の際に使用された龍頭鷁首舟で大沢池の遊覧が楽しめるほか、いけばな体験や望雲亭(本席)・五大堂観月台(立礼席)にてお茶席が催されます。
★お砂踏み 5月初旬~6月末・10月中旬~11月末
四国八十八カ所より集められた「お砂」を踏んでお参りすることで、お遍路を巡拝したのと同じ功徳を授かれます。
期間中6月15日には「弘法大師 お誕生祭」が行われます。
★宵弘法(万灯会) 8月20日
大沢池に奉納された灯籠が流され、「嵯峨の送り火」でご先祖様を冥途へ送ります。
送り火が焚かれ、夕刻より行われる灯籠流しで大沢池周辺は幻想的な雰囲気に包まれます。
★観月の夕べ 中秋の名月の前後3日間(年によって開催時期が異なります)
大沢池で行われるお月見行事で、空に浮かぶ月と池に浮かぶ月、2つの月を鑑賞できます。
※龍頭鷁首舟での大沢池遊覧+五大堂観月席(お抹茶)の特別チケットも販売されます。
★嵯峨菊展 11月1日~30日
門外不出の嵯峨菊が境内で公開されます。
★真紅の水鏡 11月初旬~12月初旬
大沢池で紅葉の時期にライトアップが行われます。
※行事ごとに限定御朱印の授与があります
行事は年ごとに日時の変わるものもありますので、詳細は大覚寺公式サイト・または公式SNSでご確認くださいませ。
JR京都駅からのアクセス
・市バス28系統(大覚寺行き)で終点下車してすぐあ
JR京都駅からJR嵯峨野線(園部・亀岡・福知山方面行き)で「嵯峨嵐山駅」下車して、市バス91系統(大覚寺行き)で終点下車してすぐ
※または嵯峨嵐山駅から徒歩15分ほど
※嵐電嵐山駅から駅前のバス停「嵐電天龍寺」から(市バス28系統大覚寺行き・京都バス94系統清滝行き)に乗り換え、「大覚寺バス停」下車してすぐ
※または嵐電嵐山駅から徒歩20分ほど
~嵐山嵯峨野巡り~大覚寺
大覚寺は嵐山・嵯峨野巡りの起点にしやすいお寺です。のんびり大沢池周辺を回遊してからお堂を拝観して、嵐山・嵯峨野をゆっくり散策してみてはいかがでしょう?
※祇王寺は大覚寺の塔頭寺院で、共通の拝観券があります。
清涼寺(嵯峨釈迦堂)→宝筐院→大覚寺→愛宕念仏寺→あだしの念仏寺→祇王寺・滝口寺 →二尊院→落柿舎→常寂光寺→御髪神社→嵯峨野竹林→野宮神社→天竜寺→渡月橋・中之島 とJR京都駅から電車やバスを乗り継いで上記の順番でぐるりと散策を楽しみながら、嵯峨野嵐山巡りをできるルートをご紹介します。
まずJR京都駅から嵯峨野線(亀岡・福知山方面行き)で嵯峨嵐山駅で下車→徒歩15分ほどで清凉寺へ→徒歩すぐで宝筐院へ→徒歩15分ほどで大覚寺へ
「大覚寺前」のバス停から清滝方面行きのバスで「愛宕寺前」下車して、愛宕念仏寺へ→あとは道なりに下ってくれば、伝統的建造物群保存地区で景観の守られた地域をのんびり歩いて、上記のお寺や神社をめぐることができます。
「愛宕寺前」の手前の「鳥居本」で下車すれば、あだしの念仏寺の少し上あたりにある愛宕神社一の鳥居や平野屋さんのある辺りから、散策をスタートすることもできます。