今よりも南の鳴川に聖武天皇の勅願により行基が阿弥陀堂を建立したのがはじまりと伝わります。
鳴川の地には後に弘法大師と弟子の智泉によって堂塔伽藍が建立され、最盛期には39もの坊がある大寺でしたが、承久の乱で大半を焼失してしまいました。
弘安2年(1279年)にそのうちの東禅院灌頂堂を岩船に移して、同8年(1285年)に落慶供養を行ったのが岩船寺のはじまりと言われていますが、定かではありません。
ご本尊は10世紀の基準作例仏
この阿弥陀如来座像は行基作と伝わる、像高約284㎝の平安時代の仏さまです。
像内の墨書きから946年の作とわかり、10世紀の基準作例になっていて国の重要文化財に指定されています。
他にも普賢菩薩騎像(平安時代・重文)や石室不動明王立像(鎌倉時代・重文)、室町時代に建立された三重塔や十三重石塔(鎌倉時代)も重要文化財に指定されています。
「アジサイの寺」
境内には昭和12年頃から、当時の住職が植え始めたアジサイが現在も引き継がれ梅雨の頃には35品種5000株もの色とりどりの紫陽花が境内を彩ります。
特に朱色の三重塔を背景に咲く姿は見事で、人気の撮影スポットになっています。
一年を通してさまざまな花が咲き、「関西花の寺二十五か所の十五番目」に名前を連ねています。
おかげ踊り
おかげ踊りは岩船寺の鎮守社であったと伝わる白山神社で毎年10月16日に行われる京都府指定無形民俗文化財です。
昔この地域一帯で飢饉が続き、伊勢の皇大神宮に願をかけたところ、五穀豊穣の恵みを受けることができたため、感謝の気持ちを表した踊りが生まれたといわれます。
昭和に入って復活され、そろいの浴衣にスゲガサ姿の地元の方々が踊りを奉納されます。
当尾は古くは世俗化した奈良仏教を厭う僧侶が隠棲し、草庵を結んで修行を重ねた地で、周辺には寺院や修行場などが点在し、多くの磨崖仏・石仏が造立されています。
現在は岩船寺~浄瑠璃寺周辺を結ぶ散策コースなどが整備され、数多くの石仏をお参りしながら2㎞弱の山道をめぐる人気のハイキングコースになっています。
岩船寺までバスで行くと浄瑠璃寺へは下りになるので、そちらを選択すれば少し楽に回れると思います。
とはいえ京都の市街地からも奈良の市街地からもだいぶ離れているうえ、石仏をすべて巡れば一日がかりのコースになります。
のんびり時間をかけて周辺の寺院をまわり、景色も込みで楽しみたいそんなスポットです。
JR京都駅からのアクセス
・JR 京都駅から奈良線で「木津駅」下車して→、JR大和路線(加茂行き)に乗り換え「加茂駅」下車して徒歩1時間30分ほど
、または加茂駅東口バス停からコミュニティバス当尾線に乗り換え「岩船寺」下車すぐ
※コミュニティバスは10時台~15時台まで一時間に一本あります。
このバスは浄瑠璃寺前まで運行されていますので、1日フリー乗車券400円を使うと周辺観光に便利です。
・JR京都駅からJR奈良線で「奈良駅」下車して→西口バスから105・106・96系統(広岡・下狭川行)で「岩船寺口」下車して徒歩20分
・近鉄京都駅から「近鉄奈良駅」へ→近鉄奈良駅前(4番乗り場)105・106・96系統(広岡・下狭川行)で「岩船寺口」下車して徒歩20分
※105・106・96系統は一日5本ほどです
拝観時間・花の時期
3月~11月 8:30~17:00
12月~2月 9:00~16:00
受け付けは15分前まで
※1月・4月~5月・10月~11月には秘仏・秘宝・三重塔初層の公開などもあります。
詳細は岩船寺公式サイトにてご確認ください。
3月下旬 椿・梅・さんしゅう・みつまた
4月中旬 桜・つつじ
4月~7月 シャクナゲ・みやこわすれ
6月上旬~7月上旬 あじさい・黄しょうぶ
6月中旬~8月上旬 睡蓮
8月 百日紅
11月中旬~下旬 秋明菊・ホトトギス・紅葉
1月 さざんか・ろうばい
年間行事
厄除け柴燈大護摩供 3月初午の日
本尊会式 4月21日
施餓鬼会 8月21日
おかげ踊り 10月16日
岩船寺の鎮守社といわれる白山神社で行われます
除夜の鐘 12月31日
秘仏弁財天・羅刹天特別公開 1月1日~15日/4月1日~5月31日/10月1日~11月30日
限定御朱印の授与あり
三重塔初層公開 4月末~5月初めのGWと10月・11月の毎週土日祝
雨天・荒天時には中止の場合あり