境内にある「蛭子社」のお祭りで、祇園のえべっさんとして親しまれています。
えびす様は七福神のうちのおひとりで唯一日本由来の神様です。
古くから商売繁盛や福の神として信仰され、
おもに西日本では十日戎(とおかえびす)と呼ばれる祭礼が各地で行われます。
北向きにお社が建てられていることから「北向き蛭子社」とも呼ばれ、
八坂神社にえびす様が祀られるようになったのは平安時代と伝わります。
現在のお社は1646年に建てられ、国の重要文化財に指定されています。
商売繁盛で笹もってこい!
この掛け声でおなじみのえべっさん。
一般に日本三大ゑびすとされるのが
西宮神社(兵庫県)
今宮戎神社(大阪府)
京都ゑびす神社(京都府)です。
(島根県の美保神社が入ることもあります)
実はえびす様と呼ばれる神様は、
イザナギノミコトとイザナミノミコトの子である「蛭子命(ヒルコノミコト)」系と
大国主命の子である「事代主神(コトシロヌシノカミ)」系に大きく分かれ、
西宮神社は全国に約3500社あるえびす神社の総本宮、
美保神社は事代主神を祀る全国三千を超えるえびす神社の総本宮とされています。
八坂神社のえびす様は蛭子社と書きますが、事代主神系で、
大阪にある今宮戎神社は八坂神社の氏子が
今宮に移り住んで祇園のえべっさんをお祀りしたのがはじまりともいわれます。
このことから、今でも両社は交流があって、
1月8日には今宮戎神社の献茶祭に向けて八坂神社から御神水が奉納され、
今宮戎神社からは祇園祭に幣帛が、12月31日には鯛が奉納されまています。
蛭子舟巡行と誓文払い
1月9日15:00~蛭子舟にのった七福神が神社の階段下から四条通りを巡行し、
途中祇園祭で神輿の奉安される御旅所にある冠者殿社(かじゃでんしゃ・かんじゃでんしゃ)
で「誓文払い」(説明ページ参照)をして、烏丸通までを往復します。
誓文とは神様に誓って約束します、もし破れば神罰をうけます。と約束することで
冠者殿社の祭神、素戔嗚命はかつて天照大神との間で誓約(うけい)を行い
(この時に生まれたのが美御前社に祀られる宗像三女神といわれます)
約束に偽りのなかったことが証明された神話に基づいて誓文の神様とされ
このお社は誓文を大切にしてきた商人に信仰されてきました。
誓文払いとは、商人が商売上の駆け引きでお客さんを欺いた罪を
神様に許してもらえるよう祈る行事です。
(罪滅ぼしに奉仕販売をしたことから誓文払い=大安売りとして広がっていきました。)
七福神をのせた舟と一緒に巫女さんの姿の福娘も巡行し、四条通りは見物客であふれます。
(福娘は応募した18~29歳の未婚の方が抽選で選ばれています(毎年9月下旬ころに応募・抽選にて決定)。興味のある方は八坂神社参道商店街公式サイトをご覧くださいませ)
10日15:00~は境内で祈願祭が行われます。
えびす様は商売繁盛の神、福の神として信仰される神様!
9日10日両日とも「商売繁盛で笹もってこい!」の声が響く中
境内では特設テントに縁起物がずらりと並び、
授与される福笹に好きな縁起物をつけて神棚などに祀ります。
(縁起物は数百円からになりますが、たくさんつけるとかなりの額に!)
熊手や鯛を釣りあげるように引く鯛おみくじなどもあります。
期間限定御朱印のいただける三社詣
この期間中だけ行われるのが三社詣です。
蛭子社前で「三社詣朱印紙」(無料数量限定)をいただき、
境内の三社(本殿・大國社・蛭子社)をめぐります。
本殿では祖神・素戔嗚尊へ詣で厄除け・災難除け
大國社では御子神・大國主命へ詣で良縁・家内安全
蛭子社では孫神・事代主命へ詣で商売繁盛・開運招福を祈願します。
新年に祖神・御子神・孫神にお参りすることで、
より強い御神徳を頂くことができるとされます。
境内は福を求める参拝者であふれ、四条通りも観光客であふれます。