第54回「京の冬の旅」(2020年1月10日~3月18日で文化財の特別公開が行われます。
大徳寺と東寺へJR京都駅からのアクセス
公開されるのは
大徳寺 法堂方丈唐門/大徳寺 総見院/宝鏡寺/霊鑑寺/知恩院大方丈・小方丈・方丈庭園/高台寺/大聖寺/三時知恩寺/光照院/東寺五重塔/妙心寺仏殿・浴室「明智風呂」/妙心寺玉鳳院/泉涌寺(新善光寺・雲龍院・霊明殿・御座所) です
こちらでは大徳寺 本坊(法堂方丈唐門)・総見院(大徳寺塔頭)/東寺 五重塔へJR京都駅から公共交通機関でのアクセス方法と周辺の観光名所をご紹介してゆきます。
大徳寺 本坊
1・市バス206系統(大徳寺・北大路バスターミナル行き)で「大徳寺前」下車して本坊までは徒歩7分ほど
2・市バス205系統(金閣寺・北大路バスターミナル行き)で「大徳寺前」下車して本坊までは徒歩7分ほど
3・市バス101系統(二条城・北野天満宮・金閣寺行き)で「大徳寺前」下車して本坊までは徒歩7分ほど
公開されている大徳寺塔頭寺院
大徳寺は境内に20を超える塔頭寺院を持つ臨済宗大徳寺派の大本山です。通常公開されてる塔頭は多くはありません。
大仙院(だいせんいん)には 特別名勝に指定される枯山水の庭園があり、 相阿弥の山水画や狩野元信の花鳥図などがあります。高桐院(こうとういん)は戦国大名・細川忠興が建立した細川氏の菩提寺です。 忠興は千利休の七哲の一人とされ、千利休ゆかりの品や秀吉の北野大茶会で使われた茶室「松向軒」も残ります。龍源院(りょうげんいん)には 長谷川等伯の作と言われる「猿猴図」 豊臣秀吉、徳川家康対局の蒔絵碁盤・狩野探幽筆「達磨図」・伝日本最古の「種子島銃」などがあります。瑞峰院(ずいほういん)は 戦国のキリシタン大名であった大友宗鱗が創建した自身の菩提寺で、石で十字架を模した庭など 三つの枯山水の庭があります。
通常非公開ですが春と秋に特別公開されているのが黄梅院、興臨院、総見院です。
黄梅院(おうばいいん) には苔と紅葉の美しい千利休の作と伝わる「直中庭」、禅宗寺院では現存最古の庫裡があります。興臨院(こうりんいん) 前田利家が修復した加賀前田家ゆかりのお寺です。昭和の小堀遠州とも言われた中根金作が復元した方丈庭園があります。総見院(そうけんいん) は秀吉が建立した、織田信長の菩提寺です。秀吉が奉納した木造の織田信長公坐像や日本最古の胡蝶侘助といわれる樹齢約400年の侘助椿(わびすけつばき)があります。
そして最近約400年ぶりに方丈襖絵を新しくし話題になった真珠庵(しんじゅあん)。一休禅師を開祖に建立されたこのお寺には長谷川等伯筆の襖絵や 石組みの配列から「七五三の庭」と呼ばれる村田珠光(わび茶の祖とされます)作庭の枯山水の庭などがありますが、釣りバカ日誌の北見けんいち筆・ファイナルファンタジーのアートディレクター上国料勇筆など6人の現代アーティストによる襖絵を新たに加え2018年12月16日まで特別公開されています。完全予約制の座禅会などで公開されています。
周辺の観光名所
大徳寺の北には時代劇でおなじみの今宮神社があります。京都の三大奇祭の一つやすらい祭(他に鞍馬の火祭と太秦の牛祭)や門前のあぶり餅でも知られ、玉の輿の語源といわれる桂昌院ゆかりの神社でもあります。
南にある船岡山は都を守る四神相応の地・北の玄武とされ玄武大神が祀られるほか、織田信長を祀る建勲神社(正式にはたけいさおじんじゃで、けんくんじんじゃとも呼ばれます)があります。最近では不定期で開催される京都刀剣御朱印めぐり(粟田神社・豊国神社・藤森神社の4社をめぐります)で人気の神社です。
船岡山西側の千本通りには桜の名所・上品蓮台寺、大きな閻魔像と念仏狂言・普賢象桜で知られる引接寺(千本ゑんま堂)、苦しみを抜き取ってくれるお地蔵様に奉納された、釘抜と釘がびっしり並ぶ石像寺(くぬき地蔵)があります。そしてさらに西には観光客に大人気の鹿苑寺(金閣寺)があります。
東寺(教王護国寺)
1・近鉄京都線で「東寺駅」下車して徒歩8分ほど(南大門まで)
2・市バス205系統(九条車庫行き)で「東寺道」下車して徒歩5分ほど(東門まで)
3・市バス42系統(中久世 JR桂川駅・阪急洛西口駅前行き)で「東寺東門前」下車すぐ(一時間に一本)
他にも78系統・19系統・八条口から16系統などもありますが、遠回りしてのアクセスだったり本数が少なかったりします。
京都駅八条口からは徒歩15分ほどです。
東寺は東西南北どちらにも入口がありますが、拝観受付は講堂の北側のみになりますので、公共交通機関でアクセスする場合東門が一番受付に近くなります。東門(交番脇の慶賀門)から入って左手に五重塔をみながら受付口まで行くと、途中で枝垂桜(不二桜)や五重塔・講堂・金堂が一堂に見渡せます。
東寺周辺の観光名所
九条通りを西へ行くと矢取地蔵寺(やとりじぞうじ)があります。伝説によると淳和天皇の御代に日照りが続き、天皇の命により東寺の空海と西寺の守敏による雨乞いが行われました。雨を降らせることのできた空海を逆恨みした守敏が、羅城門近くで待ち伏せし空海に向けて矢を放つも、黒衣の僧が現れて代わりに矢を受け難を逃れたといいます。その黒衣の僧は実はお地蔵様で、後に矢取地蔵・矢負地蔵と呼ばれ信仰されたと伝わり、現在のお堂は明治に地元の方々が寄進したものです。
矢取地蔵寺北側の小さな公園内に羅城門跡の石碑が残ります。羅城門はかつての平安京の正門で、朱雀大路の南端にありました。東寺に残る兜跋毘沙門天像(とばつびしゃもんてん)や三彩釉鬼瓦(三彩釉・さんさいゆうとは焼き物に使われるうわぐすりの一種で、焼くとガラス状になります)は、羅城門にあったものと伝わります。
さらに九条通りを西へ進み七本松通りを北へ行くと小学校の裏に西寺跡の公園があります。東寺と並ぶ官寺として同じ規模の寺域を誇る大寺院でしたが、数度の火災の後に廃寺となり、現在は講堂跡に後世に造られた土塁と石碑が残るのみです。
公園の北側にある鎌達稲荷(けんたついなり)神社は、勝負運・災難除け・弾除けなど、奇跡を生むご利益があるとされ、サムハラ守りは人気があります。サムハラは漢字のような四文字の神字で文字自体にご利益があるとされ、加藤清正が朝鮮出兵の時に刀に刻んで無事帰ることができたといわれ、戦時中には弾除けの御守として千人針や衣服に記されたそうです。
東寺から北へ行くと清和源氏発祥の地といわれる六孫王(ろくそんのう)神社があり、中央にかかる太鼓橋は恋の架け橋と呼ばれ、縁結びのご利益があるとされています。桜の季節には黄緑色のウコン桜が咲き、隠れたお花見スポットになっています。
さらに北ある梅小路公園には京都鉄道博物館や京都水族館などのほか、軽食カフェやレストランなどもありお子様連れにもうれしい府民憩いの場になっています。鉄道ファンにはここでしか手に入らない市電グッズもあります。2019年には新しくJRの駅「梅小路京都西駅(うめこうじきょうとにしえき)」が近くに開業し京都駅からのアクセスが格段に良くなりました。