京都奈良の仏像、特別公開特別拝観とアクセス方法

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清水寺 秘仏十一面千手観音、 将軍地蔵、毘沙門天

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奈良の僧だった延鎮を開山に坂上田村麻呂が創建したと伝わる北法相宗の本山で西国観音霊場三十三カ所第16番札所です。
縁起によれば僧の賢心が夢告により、この地で老人(行叡)と出会い 庵を結び滝近くで修行を開始。 その後、この地を訪れた坂上田村麻呂と千手観音を祀りしお堂を建立。
当初は法相宗(興福寺系)の末寺だった為、比叡山との対立に巻き込まれ、 度重なる兵火や火事により焼失するもそのたびに再建され、現在は北法相宗総本山として独立しています。

東山で最も人気の観光スポットと言っても過言ではなく、参道のお店が開くころになると観光客で大変な混雑が始まります。
そこでお勧めなのが早朝拝観です。拝観開始時間が午前6:00~と洛東東山方面では最も早いので、参拝客もまばらな清水の舞台で思う存分眺望を満喫できます。(2020年には平成の大改修は終了予定です)
澄んだ空気の中、朝のお勤めがはじまり、毎日のようにお散歩に訪れる地元の方々からは面白い話が聞けるかもしれませんよ。

舞台だけじゃない見どころ満載のお寺です

清水寺といわれて最初に浮かぶのはなんといっても「清水の舞台」でしょう。
舞台からの景色はもちろんのこと子安の塔へと続く道から舞台と本堂を眺める景色は絶好の撮影スポットとして人気があります。桜や紅葉の名所でもあり春や秋には舞台から錦雲峡を見下ろせば、まさに絶景が広がります。

そして仏像の宝庫でもあります。三十三年に一度公開される本堂ご本尊の十一面千手観音立像(普段は同じお姿の御前立像が祀られています)。奥の院には三面千手観音座像(秘仏・2003年に公開されたのはなんと243年ぶりでした)、どちらのお堂にも二十八部衆風神雷神毘沙門天地蔵菩薩像。素通りされる方も多いですが本堂や奥の院に靴を脱いでお参りすれば、素晴らしい仏さまに出会えます。

音羽の滝から三筋に流れる水はそれぞれにご利益があるとされ、なが~い柄杓でお目当てのご利益のある水をくむ人で行列ができます(元は同じだけどね~と地元の方・・・)

清水坂と三年坂の交わるところにある境外塔頭・来迎院経書堂(らいごういんきょうかくどう)にはおも軽石
そこから続く参道坂道を上り切りまず迎えてくれる仁王門、階段手前の左にある善光寺の首振り地蔵・境内には三重塔・体内めぐりのできる随求堂(秘仏ご本尊の大随求)・清水寺を創建した坂上田村麻呂や開山の延鎮・ゆかりの行叡を祀る田村堂(非公開)・一切経を納める経堂・泰産寺の三重塔(子安の塔)などなど多くの建物が並び、境内北には縁結びで人気の地主神社があります。
春と秋に特別公開される成就院庭園は「月の庭」と呼ばれる名庭で国の名勝に指定されています。
幕末の西郷隆盛や月照にゆかりの子孫が営む「忠僕茶屋」「舌切茶屋」で一休みしながら境内をぐるりと巡れば舞台だけではない魅力が発見できるでしょう。

清水寺創建の物語

奈良(子嶋寺)で修行を積んだ僧、賢心(けんしん)が霊夢に導かれ音羽山で清らかな水が湧く滝を見つけ、ほとりで草庵をむすび修行をする行叡居士(ぎょうえいこじ)に出会います。観音力を込めた霊木を授け行叡は姿を消しますが、賢心はその木で千手観音像を彫刻して祀り草庵と観音霊地を守りました。
しばらく後にこの地に坂上田村麻呂が鹿狩りに訪れますが、霊地で殺生することを賢心に戒められ、観音菩薩の功徳を説かれるとその教えに感銘を受け、十一面千手観音菩薩をご本尊に寺院を建立し、清らかな滝にちなんで清水寺と名付けたと伝わります。
なお賢心は後に延鎮と改名しているため、延鎮を開山として田村麻呂が創建しましたと説明されます。

田村麻呂は蝦夷(えみし・中央集権から見て東北に住む異民視された人々)討伐の際に、征夷大将軍(蝦夷を征伐する将軍で後の幕府の長とは違います)に任命され戦地に赴いています。その際に投降し捕虜となった阿弖利爲(アテルイ)と母禮(モレ)の嘆願を願い出ていますが聞き入れられず、両名とも処刑されています。境内にはアテルイを顕彰する会によって「北天の雄・阿弖利爲と母禮の碑」が建立され、毎年11月の第二土曜日に慰霊供養の法要が行われています。

仏像 秘仏と二十八部衆

本堂の内々陣に3基の厨子があり祀られているのは中央が秘仏十一面千手観音菩薩立像、 左が将軍地蔵尊、右が毘沙門天となっています。 ご本尊を御守りするのは眷属の二十八部衆。こちらは公開されていて堂内は少々暗く表情までは見えにくいですが、それでも数少ない二十八部衆の造例なので目をこらしてシッカリ拝みたいところです。8月の一定期間は昼・夜、本堂内々陣を特別拝観させて頂けるので、 二十八部衆も間近で拝む事が出来ます。
中尊の十一面千手観音像は三十三年に一度公開されます(次回は2033年予定)。基本は33年に一度なのですが2009年に花山法皇(西国三十三所観音霊場巡り中興の祖といわれています)の1000年忌に公開されています。二本の手で頭上に小さなお釈迦様を掲げる「清水型」と呼ばれる尊像で、同じお姿の御前立像が常時公開されています。

そして外陣正面を見上げると欄間に約2mの円形銅版(木に銅版をはったもの)の掛け仏が3体あり「御正体(みしょうたい)」と呼ばれます。十一面千手観音・将軍地蔵尊・毘沙門天がそれぞれ表わされ普段は見ることができない3体のお姿をこちらで拝むことができます。両脇侍に地蔵尊と毘沙門天が祀られるようになったのはこちらに伝わる伝承に由来します。清水寺を創建した坂上田村麻呂が蝦夷征討へ赴く際に、開山の延鎮上人が地蔵菩薩と毘沙門天を彫って武運を祈ったといわれます。戦地に赴きいざ戦いが始まると蝦夷軍の抵抗は激しく全滅をも覚悟するほどでしたが、田村麻呂が信仰する清水観音に祈りると戦場にどこからともなく僧侶と老翁が現れ、僧侶は矢を防ぎ老翁は敵に次々矢を射かけ、この加勢で蝦夷を打ち破ることができたそうです。二人は地蔵菩薩と毘沙門天が姿を変え現れたもので、無事に都へ帰った田村麻呂は本尊の両脇侍に地蔵菩薩と毘沙門天を祀ったといわれ、それが現在に続く清水寺の三尊形式と伝わります。またこのことから「勝軍地蔵」「勝敵毘沙門天」とも呼ばれます。

ふりかえって上を見上げると戦いの様子を描いた大絵馬「坂上田村麻呂公 東征奮戦の図」が掲げられています。建仁寺の方丈襖絵で知られる海北友松の子、海北友雪の筆で、日本最大級といわれます。本堂にはほかにも出世大黒天(ちょっとこわい)などが安置されています。

奥の院には別に三面千手観音座像と地蔵菩薩・毘沙門天・二十八部衆・風神雷神像が安置されています。
こちらの千手観音像は2003年に243年ぶりに公開されたことで話題になった仏様で、個人的には同時に公開された地蔵菩薩像の鋭い視線が忘れられません。2017年には修復が終わり色鮮やかになりました。
個人的には以前のほうが好みでしたが、今解体修理中の本堂もあんな感じになるのでしょうか?解体修理の済んだお堂は軒並み色鮮やかになっていますものね。

京都に来たーー!

見どころ満載の清水寺ですが、清水寺までの参道に立ち並ぶお土産さんからはじまり、清水の舞台・地主神社・音羽の滝と2つの茶屋、ところどころにいる龍などを探しながら散策を楽しめば全てが見所&感じ所。 難しい事は考えずに「京都に来たーー!」を満喫しましょう。

拝観時間・拝観料など

基本 6:00~18:00 高校生以上400円・小中学生200円
夜間特別拝観(春・夏・秋) 昼夜入れ替え制 高校生以上400円・小中学生200円
3月初旬~中旬
東山花灯路の期間中
春の夜間特別拝観
18:00~21:00(受付終了) 春に東山一体で行われている「東山花灯路」の期間中に夜間の特別拝観が行われ、ライトアップも行われます。
3月下旬~4月上旬
春の夜間特別拝観
18:00~21:00(受付終了) 夜間の特別拝観とライトアップが行われます。
4月下旬~5月上旬
成就院庭園春の特別公開
9:00~16:00(受付終了)  
4月初旬~6月末の土日祝 6:00~18:30  
7月1日~8月31日 6:00~18:30  
8月14日~16日
千日参り
夏の夜間特別拝観
18:30~21:00(受付終了) 夜間に本堂内内陣の特別拝観が行われ、ライトアップも行われます。
8月初旬からは日中も本堂内内陣の特別拝観が行われます
11月中旬~12月初旬
秋の夜間特別拝観
17:30~21:00(受付終了) 夜間の特別拝観とライトアップが行われます。
11月中旬~12月初旬
成就院庭園秋の特別公開
昼間9:00~16:00(受付終了)
夜間18:00~20:30(受付終了)
夜間は庭園のライトアップが行われます。

JR京都駅からのアクセス

健脚自慢ならJR京都駅から徒歩でも可。
1・市バス100系統(清水寺・銀閣寺行き)・市バス110系統(祇園・平安神宮行き)・206系統(三十三間堂 清水寺 祇園・北大路バスターミナル行き)で「五条坂」または「清水道」で下車して徒歩10分ほど
2・他にも202系統や207系統など清水寺行きの表示のあるバスに乗ればOKです。
バス停から徒歩で向かう観光客が大勢いるので迷う事はありません。

清水寺周辺地図

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