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上賀茂神社 賀茂別雷(かもわけいかづち)神社

更新日:

上賀茂神社は通称で賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)が正式名称です。
御祭神は下鴨神社に祀られる玉依媛命(たまよりひめのみこと)の御子神で「賀茂別雷大神(かもわけみかづちのおおかみ)」です。
本社の北北西にある神山(こうやま)に降臨され 天武天皇の時代に社殿の基が築かれたと伝わり、京都最古の社の一つで、古代豪族賀茂氏の氏神です。

上賀茂神社みどころとアクセス

毎年5月15日に行われる京都三大祭の一つ「葵祭(あおいまつり・正式には賀茂祭)」は上賀茂神社と下鴨神社のお祭りで、平安時代に祭りと言えば賀茂祭のことをさしました。下鴨神社には母の玉依媛命(たまよりひめのみこと)と祖父の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が祀られ、正式名称は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」です。

拝観時間・拝観料など

境内自由 開門5:30~閉門17:00  
御祈祷など 9:00~17:00 初穂料5000円~
国宝本殿特別拝観 通常
平日10:00~16:00
土日祝祭日10:00~16:30
(葵祭や年末年始には休止になります)
初穂料大人500円
同伴者も家族が中学生以下の場合は無料
  京の夏の旅や京都文化財特別公開など
通常の拝観でない場合は拝観料が異なります
 

上賀茂神社へJR京都駅からのアクセス&周辺の観光名所

1・市バス4系統(上賀茂神社行き)で「上賀茂神社前」下車してすぐ
2・市バス9系統(二条城・西賀茂車庫行き)で「上賀茂御園橋(みそのばし)」下車して徒歩5分ほど
3・地下鉄烏丸線(国際会館行き)で「北大路駅」下車して北大路バスターミナルから市バス37系統(西賀茂車庫行き)に乗り換え「上賀茂御園橋」下車して徒歩5分ほど
(いずれも鳥居までで本殿まではさらに250mほど歩きます)

周辺の観光名所

周辺にはかつての神官の住宅・社家町(しゃけまち)があり、中でも市の名勝に指定される西村家庭園は有名で常時公開されています。他にも現在は「香袋・匂い袋 いせき」(10:00~17:00火曜定休)として営業される井關(いせき)家住宅、通常非公開の梅辻家住宅・岩佐家住宅は京都市の有形文化財に登録されています。

かきつばたの有名な大田神社、原始の植物の残る深泥池(みぞろがいけ・みどろがいけ)、日本初の国立公園植物園・府立植物公園など、緑豊かな名所がたくさんあります。

丹塗りの矢の伝説

御祭神の賀茂別雷大神(かもわけみかづちのおおかみ)の誕生には次のような伝説が残ります。
神代の時代に天上に雷鳴が轟き丹塗りの矢(にぬりのや)が降ってきます。加茂川の上流から流れてきたその矢を、川で身を清めていた玉依媛命(たまよりひめのみこと)が見つけて不思議に思い持ち帰ります。その矢を床に飾って休むと、矢にこもっていた力によってご懐妊され、立派は男児をお産みになられます。

祖父である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が、元服を迎えた御子神の祝いの席に多くの神々を招き七日七晩の酒宴を催します。その席で「お前の父神にも盃をすすめなさい」といわれた御子神は「私の父は天神(あまつかみ)である」と盃を天に向かって投げ、そのまま屋根を突き破って雷鳴と共に天に上り、その時に賀茂別雷大神と名づけられました。

上賀茂神社のはじまり

突然のことに驚き再び息子に会いたいと嘆く母の夢に「奥山の賢木(さかき)を取り阿礼(あれ)に立て、種々の綵色(いろあや)を飾り、走馬を行い、葵楓(あおいかつら)の蔓(かずら)を装って祭りをせよ」とのお告げがあり、その通りお祭りをすると神山(こうやま)に立派な姿で降臨され、そこにお祀りされるようになったことが上賀茂神社のはじまりといわれます。
阿礼(生れ)とは神様が出現される(新しくお生まれになる)ことで、葵を飾って馬を走らせ・賢木を神様の依代として立ててお祭りを行ったところ、賀茂別雷大神が天より降臨されたというような感じでしょうか。
丹塗りの矢の正体は乙訓神社(おとくにじんじゃ)の火雷神といわれます。
二の鳥居をくぐった細殿(ほそどの)前にある円錐形に盛られた一対の立砂(たてずな)は、神様が降臨された神山を模したもので神様の依代です。

源氏物語にも登場する葵祭

源氏物語で光源氏の妻葵の上と六条御息所が車争いを繰り広げたのがこのお祭りです。
下鴨神社と共に行われる葵祭は京都三大祭として有名で 平安の雅な衣装に身を包んだ行列は、見物に訪れる観光客で毎年大変にぎわいます。
葵祭の起源は奈良時代にさかのぼります。欽明天皇の御代に日本国内が風水害に見舞われ、国民が苦しんでいました。そのため天皇の勅命により卜部伊吉若日子(うらべのいきわかひこ)に占わせたところ、賀茂大神の祟りであると奏したため4月の吉日を選んで、馬に鈴をかけ・人は猪頭(いのがしら)をかむり、馬を走らせて盛大に祭を行わせたところ、風雨はおさまって五穀は豊かに実ったといわれこれが起源といわれています。(人が猪頭をかぶったというのがどのような感じなのかはわからないのですが、古来イノシシやシカは神様への生贄とされていたそうなので、そういった意味あいがあるのでしょうか。)

平安時代には勅祭(天皇の勅使(使者)が派遣されて行われる神社の祭祀)となり、後に御杖代(みつえしろ・神様の杖代わりとして奉仕する)として斎王が定められ、未婚の皇女または女王から選出され祭祀に奉仕しました。賀茂祭での儀式次第(形式や作法)が定められると壮麗な祭祀になり、華やかな斎王行列には天皇・上皇はもとより貴族もこぞって牛車を並べ、地方からの見物客もあわせて京の町は人で溢れたといわれます。その様子は紫式部の源氏物語や清少納言の枕草子にも登場するほどでした。

現代の斎王(代)は、名家のお嬢様

斎王は810年から1212年まで約400年にわたって置かれていましたが、室町中期以降は祭も次第に衰微してゆき応仁の乱の後には200年にわたって中断されていました。
江戸時代に再興された時に祭にかかわる人や物を全て二葉葵で飾ったことから「葵祭」と呼ばれるようになり、明治・昭和にも中断がありましたが、1956年には斎王の代わりに斎王代(一般の方から選ばれた未婚の女性)を立てた女人列(斎王代を中心とした女官や巫女さんに扮した女性のあでやかな列)も復活し、祭を美しく彩っています。
この斎王代、一般の方と言っても京都出身で行儀作法ができ、数千万といわれる支度金の用意できる名家のお嬢様から非公開で選ばれるようです。すごい・・・

祭の列は斎王代の女人列と文官武官に扮した本列とに大別されいずれも平安のみやびを思わせる華やかなもので、京都御所から下鴨・上賀茂神社の間約8㎞を行く500人もの行列を見物する沢山の観光客の方で毎年にぎわいますが、本来は本列の勅使の方が上賀茂・下鴨両神社で天皇の祝詞を読みあげ、お供えを届けるのが目的です。以下に上賀茂神社で行われる祭事をご紹介します。

5月1日
13:00~
無料
(有料席は500円)
賀茂競馬足沙式
(かもかけくらべうま
あしぞろえしき)
5日の賀茂競馬に先立って馬の走る組み合わせを決める行事
5月4日
10:00~
斎王代女人列御禊の義
(さいおうだいよにんれつ
びょけいのぎ)
斎王代女人列に参加する女性が、境内に流れる御手洗川に手を浸し、身を清める儀式で、
一年交代で上賀茂神社・下鴨神社(御手洗池)で行われます。
雅楽の流れるなか十二単に身を包んだ斎王代が身を清めるさまは、雅そのものです。
5月5日
14:00~
柵外からは無料
(有料席は500円・1000円)
賀茂競馬
(かもかけくらべうま)
神楽装束に身を包んだ乗尻(騎手)が、神事の後に400mの芝生の上を2頭ずつ駆け比べを行い五穀豊穣を祈ります。市登録無形民俗文化財に登録されています
5月12日
15:00~
御禊の義
(ぎょけいのぎ)
神職一同が境内橋殿にて身を清めます
  御掃除祭
(おそうじさい)
非公開
賀茂祭前に本殿を清めます
  神御衣献進祭
(かんみそけんしんさい)
非公開
御装束を夏服に改めます
5月12日
夜半
御阿札神事
(みあれしんじ)
非公開
上賀茂神社の大事の中でもっとも古く重要な神事です
5月15日 賀茂祭(葵祭) 上賀茂神社ヘは15:30頃行列が到着します。
有料席は正午からの受付で事前予約ありません
5月17日
10:00~
献茶式 表千家・裏千家家元の隔年奉仕によって行われます。
参列・拝服席、副席、野点席、点心席全て含んだお茶券4000円(枚数限定)があります

下鴨神社では5月3日に流鏑馬神事(やぶさめしんじ)・5日に歩射神事(ぶしゃしんじ)・12日に御蔭祭(みかげまつり)・21日小川流煎茶献茶祭が行われます。
賀茂祭のほか石清水八幡宮と奈良の春日大社とで行われる勅祭は、旧儀保存のために古いしきたりを参照に行われる特殊な祭として三勅祭と呼ばれています。

国宝本殿や重文の細殿で行う挙式プラン

古くより皇室の崇敬を受けてきた神社で、本殿・権殿は国宝に指定され、 ほかにも重要文化財に指定される建物や神宝を多数所有し世界遺産にも登録されています。常時行われている特別拝観では神職の案内によって本殿や神宝の拝観もできます。
また国宝の本殿や、立砂のある細殿での挙式プラン、夕闇の迫る中灯火に照らされた境内で厳かな式を挙げることもでき、歴史ある神社で永遠の愛を誓うことができます。

市街地からは少し離れた場所にあって祭りや行事がなければ静かな境内にはならの小川が流れ、春には桜・秋には紅葉の美しい散策路が続きます。境内から出て明神川と名前を変えた川沿いには社家町と呼ばれる神職の住宅群が残り、周辺には緑豊かな名所が多くあります。

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